母が逝って、一人残されたわけだが、正直言って、寂しいとか孤独感に苛まれるということはなかった。昨年もコメントしたが、喪失感がないと言えば嘘になるが、寂しいという気持ちは無かった。 どちらかと言えば、早く母の元に行きたいという気持ちの方が大きく、あまり周りのことを見ようとしていない感じがする。 母が逝ってから、家の中の片付けに追われた。最初は姉も手伝ってくれた。その後、一人で作業をし、母との思い出に涙しながら、整理を進めた。まぁ、母を見送ったので、今度は、一人となった自分の身を自分で整理しなくてはという気持ちが強かった。存命中に、母が私に「お母さんが死んだら、お前は一人になって、困るな」と言い、「それなら、ずっと生きているかぇ？」と聞き返すと、「それは困る。そんなにヒラヒラ生きている訳にはいかない」などというたわいもない会話をしていたのを、昨日のように思い出す。 母が逝ってから、とにかく忙しくしていた。家の整理、相模原市と石川台での仕事、目白本社での仕事、古巣に帰ってきてからは、平日は塾講師、週末は不動産屋と週に7日働き、平日の昼間は株トレードをしていた。先年は平日は塾講師、週末は五反田でバイト、そして平日昼間は株トレードと約2年間週に7日働いていたので、流石に、忙しく、寂しいなどと感じる余裕すらなかった。 今年に入って、仕事量を減らした。塾は月火水の週3日のみ、株トレードは平日の昼間はするものの、週末はバイトをしていない。自宅にいる時間が圧倒的に長くなった。これは、週の後半を沖縄やハワイで過ごす為だった。塾講師も良いのだけれど、一旦授業が入ってしまうと、休むことが出来ない。だから、体調を崩すことすら出来ない。これでは、旅行にも出かけられない。母が存命の時は、お盆休みの時などを利用したが、料金が途轍もなく高くなってしまうので、度々旅行するなどということは絶対に出来なかった。そもそも休みが取れないという問題もあったが。 母を見送り、1人となったので、今度は私があの世に行く番となった。そろそろ、5年ほど前から考えてきた「ハワイ移住計画」を実行する時が来た。今年で、私も60となる。父は67で逝ったので、私も後7年くらいかも知れない。そうなると急がねばと思い、今年から計画を実行段階に移した。その１つが、塾での勤務を極力減らすこと。株トレードも順調なのだが、このコロナ騒ぎで、5月は沖縄に行くことが出来なくなった。4月は1回は行ったが、2回目はキャンセルせざるを得なかった。 このストレスが私の気持ちを狂わせているのかも知れない。 ここに、今の気持ちを、母に報告するように書いたら、スーッと気持ちが楽になった。父が逝った後は、母は何かに追い詰められると、ちょっとしたパニックを起こしたことがあった。そんな姿は、私は見たことがなく、その時は、少し慌てたが、実は、私も母に似て軽いパニックを起こすようだ。母のパニックは私と話しながら、自然におさまったが、私の場合は、母へ文章を書くことで収めていくしかなさそうだ。