トヨタは中国圏で裕福層がセダン→SUVと来て、次のジャンルとして高級ミニバンの｢アルファード｣が選ばれている事に目をつけた。 ヨーロッパのプレミアムブランドはミニバンをラインナップしていない。 唯一、メルセデスが｢Vクラス｣を持っているが、中国の富裕層から見れば実用的過ぎて高級には見えない。 幸いモデリスタに｢アルファード･ロイヤルラウンジ｣という高級モデルがあるから、これを｢レクサス｣として投入すればこれから拡大する高級ミニバンのマーケットを押さえられる…と思ったのだろうか？ レクサス(トヨタ)の思惑通り、恐らく｢LM｣はけっこう売れるだろうと思う。 しかし、と思う。 新世代アーキテクチャを用いて｢LS｣｢ES｣と、ヨーロッパのプレミアムブランドに迫るモデルを投入しブランドアイデンティティをより強固なモノにしていく過程において、モデル末期(2020年のデビューが噂されている)のアルファードにスピンドルグリルを与えて"レクサスのミニバン"として投入するのは残念だなと思う。 マーケットが"何でも有り"の中国だから、ライバルの居ない間にシェアを…、というのも理解出来るとしても、内外装は少なくとも｢ランドクルーザー200｣と｢LX｣程度の差を持たせるべきだったと思う。 恐らくレクサスは、この｢LM｣をヨーロッパには持ち込まないだろう。 目の肥えたヨーロッパのマーケットでは、トヨタブランドのミニバンのバッヂエンジニアリングだと通用しないと解っているだろうから。 TNGAを採用した新型｢アルファード｣ベースでオリジナルデザインを持たせたモデルで"プレミアムミニバン"というジャンルを開拓して欲しかった。 久しぶりに、良い意味で使われなかった"販売のトヨタ"を見た気がした。