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見城徹

ランボーは「地獄の季節」で、 [俺たちの舟は 動かぬ霧の中を 艫綱を解いて 悲惨の港を目指し] と詩っている。 すると、誰かが、 「僕は[希望の港]を目指したいんです」 と言うのに似ている。 たぶぅー、サエ、あま、わざわざ「地獄の季節」を読まなくでもいいですよ。 ジイドの「地の糧」も同じ。そこに「満足して、あるいは絶望しきって死にたいものだ」という有名な一節がある。 そこから戴いて、藤田晋と僕の共著のタイトルを「絶望しきって死ぬために、今を熱狂して生きろ」にしたの。 血と涙と汗にまみれて地上戦を戦っている人にとって、「希望」と書くより「悲惨」の方が、「満足」と書くより「絶望」の方がリアリティーがあると僕は身を以て思うのです。 ランボーもジイドもそうだった。単にそんな意味です。 南アジアの国から朝の最初の755です。

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