朝の散歩@上目黒2丁目
やりたい――
その声は、
胸の奥の暗い森から
ふっと立ちのぼる煙のよう。
けれど、
すぐに飛びつけば、
ただの風に消えることもある。
だから一度、
深い水面に
その声を映してみる。
本当に自分のものか、
借り物の夢ではないか、
静けさが答えをくれる。
そして、残ったもの――
それだけが
魂を動かす火になる。
火が灯れば、
もう考えなくていい。
ただ、歩き出せばいいのだ。
歩いた先で、
答えは風のように
肩に触れてくる。
その風は、
時のはざまを越え、
遠い星々と同じ道を旅してきた。
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