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     ⭕️歳まで生きられるとして、残9,000日余り。出来ること必要だと感じることがあればここにメモしていきたい。

     SNSでも知り合いからでも経営判断や人格で圧倒的に高い評判を聞くことの多い
    CA藤田社長が幻冬舎の兄貴から勧められたという一冊[二人の嘘 一雫ライオン著]
     
     つまらない訳がない。

     題材はあるエリート女性裁判官が扱った一事件。その被疑者を裁いた主人公がひょんなことから、数年服役した後の被疑者と再び接点を持ってしまう物語。
     全体的に繊細な詩情に満ちた表現で人となりを伝え、テンポ良く話が進むが、題材が題材なだけにそう簡単にはいかない。
     主人公は女性ながら東大で10年に一人と言われる逸材。しかし、生い立ちは過酷で、天才的な頭脳と美しい容姿を持つが、裁判官になった理由は人と交わる必要が少ないからというもの。 

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     その点で、他の国家公務員とは異色なバックボーンを持つが、才能が才能だけに裁判所の期待を背負って、保守本流を突き進んでいる。
     入省時の順位が数十年経っても、ものを言う組織だが、外部からは知り得ない特殊性はあるだろうが、じわっとした違和感は免れない。
     まず、圧倒的に少数で事件を裁いていく過程だ。一日あたり6,7件は判決を起草していかないと追いつかない。次に誤謬性へのこだわりだ。間違えてはいけない、間違いと判断される仕事は、自分処遇に速やかにつながってしまう。この辺りの機微は、組織に属したことのある者なら誰もが感じる普通のこと。

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     ただし、一件一件の重みが違う。
     生死を彷徨う患者を前に否応なく手術をしなければならない医者のようにその一つ一つが人の生死を握っている。
     そんな中で自らのバランスを保つために、自らの誤謬性を信じる必要があるのかも知れない。ただ、自分の立場を鑑みずに感想をいえば、なぜ正確性の担保に自ら動かないのかということになる。
     日本最高峰の頭脳も人間だから、キャパは限られる。裁判のスピード化が求められる昨今だからこそ、物理的な仕事量に対する適切な措置と、正確性の担保をある程度フレキシブルな形で、多方面から確保しておくことの必要性を感じる。
     官僚の仕事には、彼らは日本で最優秀であり、間違わないという誤謬性がバックボーンにあり、政策に関しても進むまでの検討には労力が割かれるが、進むた政策の是非にはほとんど責任は問われないことが多い。しかし、そろそろその神話はあり得ない、人は必ず間違うものであり、人の動きはテストのように点数で測れるものではないという前提に立たないと、せっかくの優秀な人材も活かせないのだと痛感した。
     二十歳そこらで、日本最高峰の人材がいつまでも優秀だとは思わない。それはスポーツ選手も同じこと。
     散り際の美しさで日本人の価値は一番測れるのだ。