初代のメルセデス･ベンツ300SL 元々はレーシングプロトタイプとして製造され、イタリアの｢ミッレ･ミリア｣(1000マイルの公道レース)や、アメリカの世界一過酷とされた公道レース｢カレラ･パナメリカーナ｣で活躍。 アメリカ市場の強い要望により市販モデルが造られた。 名前のSLは英語で言う"スポーツ･ライト"(ドイツ語では"シュポルト･ライヒ")で、その名が示す通りスペース鋼管フレームを採用したボディは1.3トンを切る軽量に仕上がった。 特長のガルウィングドアは、デザインではなくフレームの鋼管パイプが乗員の横を通っていて、通常のドアが採用出来なかった為の苦肉の策。 市販型は、3リッターの直列6気筒SOHCエンジンを搭載、ボッシュが開発した世界初の燃料噴射システムによる直噴式で、当時としては驚異的な215psを発生し、この軽量ボディを260㎞/hまで引っ張った。 日本では、力道山の愛車として有名だが、自動車評論家の故･徳大寺有恒さんが｢今で言えば、スペースシャトルくらいの価値があった｣と言う程のとんでもない車だった。