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モウリス@ニコ生NEX ZERO

『AKB48裏ヒストリー 北原里英24歳、アイドルの生き方』感想 きたりえドキュメンタリー。何も驚くことも、意外なこともない。きたりえは、ずっとああ見えてたんだと思う。みんなに見えていた。でも見てなかった。…いやいやそうじゃない。 結局、30分ではきたりえのこころの奥底は見えなかったと思う。いや、300分でも見ることは出来ないだろう。あの人生観を、あの激しい競争社会で貫くには、ひとの何十倍もの理不尽や誤解に耐えてきたはずだ。「いい人」を通し続けるということは、他人のエゴ(毒)を飲み続けることでもある。下手をすると精神を破壊しかねない。彼女はおそらく、何度もその危機に直面しただろう。きっと彼女は「いい人ですね」と言われても、苦笑いをすると思う。そして、苦笑いの奥によぎる不協和を瞬時に消し去る。浄化しきれないときもあるだろう。でもそれは、きたりえだけの時間に封印され、ぼくらには見ることは出来ない。 あのドキュメンタリーは、きたりえの半分しか描かれていない。それはAKBでの彼女自体が半分しか機能していなかったからだ。AKBでの彼女を100の証言で「いい人」と証明したとしても、それが北原里英像の50%を超えることはない。他人には感動的であっても、本人が納得出来ていないAKB人生だったからだ。彼女は「いい人」と呼ばれるより、「素敵なアイドル」と呼ばれたいはずだ。そのためにアイドルになったんだから。そしていま、神の一手によって、残り50%を埋めるには十分すぎるチャンスを与えられた。これまで貯めに貯めた負債を一気に返してやるという闘志が煮えたぎってるだろう。(もちろん、そんなことはおくびにも出さない)それは誰かに対してのリベンジではなく、自分の生き方と社会との距離を縮める冒険だ。彼女は、その手応えを感じたいと思っていると思う。ガツンとした手応え。きたりえが信じてるものは、「いい人」と呼んでくれる承認ではなく、その実感、生きてることそのもののような気がする。そのために、あまりにも用心深く、安価なものに手を出して来なかった人なんだと思う。 勝利して笑い、ひとりになってもう一度笑え、きたりえ。

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