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モウリス@ニコ生NEX ZERO

『指原莉乃座長公演@博多座』解剖② 〜熊沢世莉奈編〜 熊沢世莉奈ほどパフォーマンスすることの喜びを全身で表現するメンバーはいないだろう。その持続力たるや。そして最終曲の決めポーズでやりきった表情をするときの彼女はまた格別だ。 ぼくは、彼女の優れたパフォーマンスを目撃する度に、感想を伝えに行くようにしている。彼女の反応はいつも「あ!ありがとうございますっ!」と歯切れよくシンプルだ。その飄々とした爽快感が気持ちいい。 しかし、常に自然体のように見える彼女も、深く悩む夜があることが、今年の生誕祭のスピーチで明らかになった。もちろん悩んでないとは思わないけど、それを微塵も漏らさないのが彼女のスタイルなだけに、ハッとさせられた。そして、あの限りなくナチュラルに見える笑顔とダンスが、計算と鍛錬によって醸成されているという事実に驚いた。でも、決して「ダンス職人」だとは思わない。彼女のパフォーマンスの素晴らしさの少なからずは、彼女の自然体から発せられているものだと思うからだ。 そして熊沢世莉奈は「平和の人」でもある。彼女ほどイデオロギーを持たないメンバーはいないだろう。ここで言うイデオロギーとは「欲望の表明」という意味だ。彼女はいつも、他者との競争やテリトリーと切り離されたところにいる。(少なくともそう見える)その分、競争社会にいるアイドルとしては損をしてる部分もあるかもしれない。しかしグループにとって、そうした存在の意義は大きい。彼女が振り撒く無垢な笑顔は、競争社会に発生しやすいギスギスした空気を中和する。普段ぼくらが、いかに詰まらないことでくさくさしてるかを教えてくれる。HKTが「いちばん仲良しなグループ」だとするなら、彼女の存在は極めて大きいと思う。 だから、明治座の選抜に彼女の名前を見たときは、本当に嬉しかった。第1部では地味な役回りだが、第2部の狸祭りを明るく爽やかに盛り上げることに大きく貢献している。地道に積み上げてきたパフォーマンスが、伝統ある劇場においても、いつもと変わらず暖かく輝いている。そういう意味では、意外に舞台度胸のある人だなとも思う。これから観る人は、ぜひ彼女にも注目して欲しい。 熊沢世莉奈をもっと見よう。 熊沢世莉奈をもっと語ろう。 そして、たまにはレーンに行って、彼女の程よい陽だまりと飄々とした風に当たろう。 (つづく)

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