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 散歩のためのファッションも考えたりして、ある程度の機能性は重視しつつ、夏も冬もキャップをかぶって、上はTシャツとブルゾン、下はだいたい短パンで、足元はだいたいカラーかオニヅカタイガーのスニーカーを履いています。あとバレンシアガのバックパックにお水や着替えを入れたり、わざわざカラーのウエストポーチを買い求めたり・・・。  そうしておしゃれを楽しみながら歩いていると、特に麻布十番コースでは知り合いに会うこともあって、ある広告代理店の社長とはせっかくだら歩きながらしばらく話をしたら、めでたく仕事が決まったこともありました(笑)。麻布十番は広告だけでなく、メディアやクリエイティブ系、芸能関係の事務所、アーティストや外国人も多くて、ほかの街にはないおしゃれな高級マンションがびっくりするほどたくさんあるんです。歩いていると一般の人からも「写真を撮ってください」とか「握手をしてください」と言われることもあって、そんなときはしみじみ「70歳まで生きたんだな」と思います。まれに「サインをしてください」と言われることもあるけれど、偉そうに思われたくないので、女性と二人の記念撮影以外は、基本的には全てお応えするようにしています。  ちなみにSNSの「755」で「一人じゃ寂しいから、土・日の散歩フレンドが欲しい」と書いたら、「私ではダメでしょうか」とか「土・日はいつでも空けておきます」とか、たくさんコメントが届いたりもして(笑)、さすがにSNSで出会った人を散歩に誘うわけにはいかないけど、ガールフレンドではなく、「今日、散歩しない?」と気軽に誘えて、適度に仕事の情報交換ができる相手がいたらいいだろうなと思う。◯◯◯◯◯◯んかを歩いていてもそれぞれが自分らしい楽しみ方を知っていて、親子連れはサッカーをしていたり、サイクリングやジョギングをしている人もいれば、バトミントンやバレーボールをやっている人々もいる。「みんなこんなに人生を楽しんでいるんだ」という発見もあった。コロナ以前は常に運転手付きの車で移動するだけで外を歩き回ることがなくて、車の窓からしか見ていなかった街が全く違って感じられて、生きるという営みの息遣いや足音が聞こえてくるようでもありました。  ただ、僕が学生だった頃の街は、宮下公園のベンチなんかは全部カップルだらけで、男と女が座りながら抱き合っていたものだけど、今の散歩ではそういう風景は全く見かけない。「時代は変わったんだなぁ」と思うし、「散歩の社会学」というか、歩くことで見えてくる世の中のありようは本当に勉強になります。  そういうわけで2021年は「散歩友達」という新しいジャンルを開拓したい。散歩が終われば「さよなら」っていうのも(笑)、きっと爽やかでいいものだと思います。

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    ウチの庭の、金木犀。
    花が、咲き誇りまくっちょります ©︎ろこ。
    薫りを、振り撒きまくっちょります ©︎ろこ。


    金木犀を見ると、私は小学校の「手洗所」を思い出すんです。

    木造二階建ての校舎に、千人からの児童が通う、マンモス小学校だった、我が母校。
    裏門のそばに、別棟でトイレが建ててありました。
    石の壁に用をたして、下の幅広な溝を流してるいく、小便所。
    もちろん汲み取り式の、大便所。
    風が吹くと、カラカラと音を立てて回るトップエンドがついた、あまり役に立っていそうもない、排気用の煙突。

    母校の、百年からの歴史を物語る、古い古い作りの、「手洗所」の看板も凛々しい、由緒正しきトイレだったんです。

    そのそばに、消臭用も兼ねてでしょう、大きな金木犀が植えられていました。
    秋の盛りには、それはもう甘くて芳しい薫りで、トイレの悪臭を和らげてくれていたんです。


    金木犀で思い出す、もう一つのもの。
    それは、あの曲なんです。

    鳳晶子さんの「みだれ髪」を入れた歌詞から、「明星」を「みやうじやう」と読む粋。
    与謝野鉄幹との道ならぬ恋の、自らの熱情を歌った歌集を持ってくる若さ。
    「あの高速道路の〜」の疾走感は、晶子の熱い歌の引用で、よりその勢いを増すように感じられます。

    一発屋でしたが(失礼)、この曲は、私には忘れえぬ名曲なんです。

    それでは聴いてください、
    キンモクセイで
    『二人のアカボシ』



    ( 。・_・。 ) 53

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    『二人のアカボシ』
    演奏:キンモクセイ
    作詞:伊藤俊吾
    作曲:伊藤俊吾

    夜明けの街 今は こんなに
    静かなのに また これから 始まるんだね
    眠る埋立地(うみべ)と 化学工場の
    煙突に 星が 一つ 二つ 吸い込まれ

    沢山 並んだ 街の蛍たちも
    始まる今日に 負けて
    見えなくなってゆく
    君とも 離れることになる

    あの 高速道路の橋を
    駆け抜けて 君 連れたまま
    二人 ここから
    遠くへと 逃げ去ってしまおうか

    消えそうに 欠けてゆく月と
    被さる雲は そのままに
    二人のアカボシ
    遠くへと 連れ去ってしまおうか


    橋の継ぎ目と 二人に届く
    電波には 懐かしいあのメロディーが
    聞こえてるかい 「みだれ髪」に
    沁みるよう 明星(みやうじやう) 遥か 彼方へ

    見渡せば 青 続く信号機が
    二人の想いを
    照らせばいいのにな
    明日の僕らは 何処にいる

    また 今日も 汚れてく街は
    蝕む煙を 吐き出す
    君の 知らない
    遠くへと 連れ去ってしまおうか

    瞬かない星が 一つ
    夜明けの街に 消えてゆく
    二人 ここから
    宛てのない明日を 探そうか



    僕の決意と 伝えきれない
    想いが 街の音に 消えないうちに

    朝焼けの水蒸気が
    隣の空を彩る
    懐かしいメロディーは
    風と共に 終わる
    君の 髪の毛が 震えてる

    あの 高速道路の橋を
    駆け抜けて 君 連れたまま
    二人 ここから
    遠くへと 逃げ去ってしまおうか

    さようなら 街の灯りと
    月夜と 二人のアカボシ
    最後の想いは
    君が 振り向く前に 話そうか


    夜明けの街

    夜明けの街

    夜明けの街



    ( 。・_・。 ) ♪

    #二人のアカボシ
    #キンモクセイ