あみのトーク
トーク情報- あみ
あみ Numéro TOKYO 5月号の「見城徹の五つの場 “見せ場”」を読ませていただきました。
見城さんの文章を拝読して、今にもリングに倒れ込みそうなほど現実と格闘しているからこそ、細胞の隅々まで感覚が鋭敏で、人の微妙な機微や言動をこと細かく洞察できると感じました。そして、その洞察力があるからこそ、人物や料理のすごさ、微妙な変化と進化に気づけると思います。
三上さんのお寿司は、日本の工芸品や日本庭園のような美しさと、和菓子のような繊細さを併せ持ち、それを鮨に閉じ込めています。
マグロのづけ握りは、赤身・中トロ・大トロのサクごとに、表面を薪焼きで炙っているのではないかと感じました。ミルフィーユ状になっているそのビジュアルは、まるで甲殻類のオブジェのような輝きを放ち、口に入れた瞬間にマグロの旨味と薪の香りが広がっていくと想像します。
イカの握りには多方向に切り込みが入れられ、まるでふかふかのペルシャ絨毯のように感じました。1000回もの包丁を入れることで、本来ゴムのような食感であるイカがまったくそう感じず、噛んだ瞬間に口の中でほぐれる。三上さんが選び抜いた新鮮なイカだからこそ、独特なイカ臭がなく、絶品の一品になっているのだと思います。
コハダ白昆布は、青黒く光沢のある身と、半透明な薄緑色の白昆布とのコントラストが、まるで伝統工芸品の漆器のような佇まい。三つ編みキスは、食材の味や色味を活かしたシャンデリアの装飾品のようです。明石の平目は、バラと海苔を噛ませており、まるで日本庭園の池で鯉が泳いでいるような風景を彷彿とさせます。
トロタク鉄火は、通常であれば海苔・シャリ・マグロの順で食感を味わうものですが、三上さんの巻物は、まず海苔に薄くスライスしたマグロを敷き詰め、ゴマをまぶしたシャリを巻くことで、口に入れた瞬間にマグロの味、そこからゴマの香ばしさが広がり、たくあんや香味野菜とマグロが一体となって味わえるようになっていると感じました。
鮨を食べる順番は「淡白なものから濃厚なものへ」が通説ですが、三上さんのお寿司は最初からエンジン全開のフルスロットルで始まっており、それは淡白な白身魚であっても濃厚な赤身に負けない鮮度と工夫があるからではないかと感じます。さらに、「やま幸」の鮪だからこそ、味に深みがありながらも血なまぐささがないと推察します。
薪焼きの芋のデザートについて「どうしても自分の納得のいかない。自分がイメージした味ではないから、今日のデザートはなしにします」というエピソードは、普段755で拝見する三上さんそのものだと感じました。また、「鮨あらいの“日々の進化でこんなすごい奇跡を生み出す”というエピソード」は、日頃見城さんが錚々たる方々と触れ合っているからこそ、気づけることなのではないかと感じました。 - あみ
あみ Numéro TOKYO 5月号の「見城徹の五つの場 “見せ場”」を読ませていただきました。
見城さんの文章を拝読して、今にもリングに倒れ込みそうなほど現実と格闘しているからこそ、細胞の隅々まで感覚が鋭敏で、人の微妙な機微や言動をこと細かく洞察できると感じました。そして、その洞察力があるからこそ、人物や料理のすごさ、微妙な変化と進化に気づけると思います。
三上さんのお寿司は、日本の工芸品や日本庭園のような美しさと、和菓子のような繊細さを併せ持ち、それを鮨に閉じ込めています。
マグロのづけ握りは、赤身・中トロ・大トロのサクごとに、表面を薪焼きで炙っているのではないかと感じました。ミルフィーユ状になっているそのビジュアルは、まるで甲殻類のオブジェのような輝きを放ち、口に入れた瞬間にマグロの旨味と薪の香りが広がっていくと想像します。
イカの握りには多方向に切り込みが入れられ、まるでふかふかのペルシャ絨毯のように感じました。1000回もの包丁を入れることで、本来ゴムのような食感であるイカがまったくそう感じず、噛んだ瞬間に口の中でほぐれる。三上さんが選び抜いた新鮮なイカだからこそ、独特なイカ臭がなく、絶品の一品になっているのだと思います。
コハダ白昆布は、青黒く光沢のある身と、半透明な薄緑色の白昆布とのコントラストが、まるで伝統工芸品の漆器のような佇まい。三つ編みキスは、食材の味や色味を活かしたシャンデリアの装飾品のようです。明石の平目は、バラと海苔を噛ませており、まるで日本庭園の池で鯉が泳いでいるような風景を彷彿とさせます。
トロタク鉄火は、通常であれば海苔・シャリ・マグロの順で食感を味わうものですが、三上さんの巻物は、まず海苔に薄くスライスしたマグロを敷き詰め、ゴマをまぶしたシャリを巻くことで、口に入れた瞬間にマグロの味、そこからゴマの香ばしさが広がり、たくあんや香味野菜とマグロが一体となって味わえるようになっていると感じました。
鮨を食べる順番は「淡白なものから濃厚なものへ」が通説ですが、三上さんのお寿司は最初からエンジン全開のフルスロットルで始まっており、それは淡白な白身魚であっても濃厚な赤身に負けない鮮度と工夫があるからではないかと感じます。さらに、「やま幸」の鮪だからこそ、味に深みがありながらも血なまぐささがないと推察します。
薪焼きの芋のデザートについて「どうしても自分の納得のいかない。自分がイメージした味ではないから、今日のデザートはなしにします」というエピソードは、普段755で拝見する三上さんそのものだと感じました。また、「すが弥の“日々の進化でこんなすごい奇跡を生み出す”」というエピソードは、日頃見城さんが錚々たる方々と触れ合っているからこそ、気づけることなのではないかと感じました。