山川幹男山川幹男

王道アイドルを目指していたが夢敗れて邪道の道に突き進むメンがヲタとやりとり編（ライブ終盤、スポットライトの中で突然マイクを持つメンバー）

アイドル（叫ぶ）
「ちょっと待てよ……おい……お前ら、ほんとにそれでええんか……！？
私がリボンつけてニコニコしてた頃……
お前ら、見てくれてたかァッ！？！？」

（ざわつくフロア、後方から一人の古参ヲタが叫ぶ）

ヲタA（涙交じりに）
「見てたよ！！　お前が王道目指してた姿、俺はずっと応援してたよ！！」

アイドル（歪んだ笑顔で）
「だったらなんで離れたッ！？
なんで“あいつの方が輝いてる”なんて言えたんだよォッ！！」

（前列から別のヲタが立ち上がる）

ヲタB（必死に）
「でも…あの頃の君は無理してた！無理に笑ってた！！
俺たちは……それが見てられなかったんだよ！！」

アイドル（マイクを握りしめて、嗚咽混じりに）
「見てられなかった……？
じゃあ今の私を見ろよッ！！
汗まみれで、喉潰して、
キャラ崩壊して、
それでもステージに立ってんだよォ！！！」

（会場、拍手と涙とざわめき）

アイドル（叫ぶ）
「もう私は……かわいさじゃ勝てねぇんだよ！！
だったら体張って、命削って、“生き様”で勝つしかねぇだろォが！！」

ヲタA（拳を握って）
「それでも……俺は、今のお前を応援してる……！
たとえそれが邪道でも、命燃やしてるお前が、俺の一番のアイドルだァッ！！」

アイドル（嗚咽交じりに、そしてゆっくりと笑う）
「……バカだなお前……でも、ありがとな。
地獄までついて来いよ……
私が這い上がるその瞬間、見届けろッ！！！！」

（ヲタの咽び泣きながらのコール――ラストソング突入）