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山川幹男

劇場公演も中止になり嘆くメン「……今日も劇場の明かりは、点かないのか。」 誰もいないステージを見つめながら、呟く。 あの板の上で流した汗も、涙も、今はただ乾いて消えていく。 「外の仕事もない。カメラの前に立つ機会も、もういつからなかったんだろうな。」 SNSでは、同じグループの仲間たちが笑っている。 雑誌に載り、テレビで輝き、ファンに囲まれて。 その光の輪の外側で、自分だけが取り残されていく。 「……努力すれば報われる、なんて言葉。  そんなものを信じていた頃が、あったんだよ。」 指先で古いリストバンドを撫でる。 初めてステージに立った日の証。あの日の熱は、まだ心に残っている。 「それでも……諦められないんだ。  誰も見てなくても、心の中でまだ、歌ってる自分がいる。」 目を閉じると、あのスポットライトの熱が蘇る。 誰の記憶にも残らなくてもいい。 ただ、自分の中で灯を絶やさないために——。 「……まだ終わりじゃない。  この沈黙の時間も、きっと“物語”の一部なんだ。」

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