ログイン
詳細
山川幹男

自分の推しメンに彼氏がいると疑心暗鬼になるクリーチャーヲタ──彼女に“彼氏”がいるのかもしれない。 その噂が、風のように流れ込んできた瞬間……俺の中の何かが、静かに軋んだ。 「まさか……いや、そんなはずはない……」 そう呟いても、夜は残酷に長い。 SNSの更新が途絶えるたび、モバメの一言が淡々としているたび、 俺は勝手に物語を作ってしまう……“知らない男”の影を。 彼女はステージで笑っていた。 あの眩しいライトの下で、誰よりも輝いていた。 ──なのに、俺はそれを疑いで曇らせてしまったんだ。 「信じる」という言葉が、こんなにも難しいものだったとはな……。 俺はファンであるはずなのに、 まるで取り調べ官のように、彼女の一挙手一投足を監視していた。 「愛と信頼を履き違えた者に、真の希望など訪れない」と。 俺は、彼女の笑顔を守るためにここにいるはずだった。 ……なのに、俺がその笑顔を曇らせる側になっていたんだ。 もう一度、原点に戻ろう。 推すとは、信じること。 彼女の未来を疑いではなく、光で照らすこと。

前へ次へ
山川幹男のトーク
トーク情報