ホワイトホワイト2019年02月08日 17:08『たった一人の熱狂 仕事と人生に効く51の言葉』 見城 徹 著より 死ぬまで正面突破 72年5月30日、イスラエル・テルアビブのロッド国際空港で衝撃的な事件が起きた。日本赤軍の奥平剛士、安田安之、岡本公三が乱射事件を起こしたのだ。奥平たちが罪のない26人の市民を殺したという説もあれば、市民が死んだのは警備兵の乱射のせいだという説もある。真相は今でも解らないが、日本赤軍の革命運動をきっかけに多くの死傷者が出たことは事実だ。 パレスチナ難民キャンプを出発する前日、死を覚悟した奥平は重信房子と二人でピクニックに出かける。その時のことを重信房子はこう歌った。 〈草原に身をひるがえし蝶を追う決死の闘いひかえし君は〉 (『ジャスミンを銃口に 重信房子歌集』) これから死にに行くというのに、奥平はパレスチナの草原で無邪気に蝶を追っていた。その奥平の姿を重信房子は一首の歌に詠んだ。奥平は澄んだ気持ちで重信房子に別れを告げ、自分の信じた革命に殉じて行ったはずだ。 「この期に及んで後悔することは何もない」「地獄でまた革命をやろう」 彼らは決意に満ちた瞳でロッド国際空港に降り立った。後に続く革命運動を思い描きながら、現実という踏み絵を躊躇なく踏み抜いた。奥平と安田は、蜂の巣のように撃たれて死んで行く。岡本公三の手榴弾はなぜか爆発せず、彼だけは自決に失敗して逮捕された。長い獄中生活を経て、岡本は今でも亡命先のレバノンで生きている。 奥平が死んだあと、重信房子はこうも歌っている。 〈「地獄でまた革命をやろう」と先に逝き彼岸で待ってる君は二十六歳〉(同前) 今読み返しても涙が出る。共同体の善悪はさておき、覚悟を決めた人間の心情が胸を打つ。 僕は大学生時代、かなり真剣に学生運動、革命運動に関わっていたつもりだった。だが、実際は現実という踏み絵をまるで踏み抜けてはいなかった。 「留置場や刑務所に入れられるのは嫌だな」「親が悲しむだろうな」「就職もできなくなるだろうな」 そんなくだらない理由をつけて、臆病な僕は革命運動に殉じることができずのうのうと現実にとどまっていたのだ。 かたや日本赤軍の奥平たちはどうか。アメリカやイギリスのせいでパレスチナの人々は自分たちが住んでいた場所から追い出され、難民キャンプに追いやられる。こんな矛盾を許してはいけない。戦うべきだと決意した彼らは、命を投げ打って信念の道に殉じた。 僕も一度は、矛盾に満ちた世の中の仕組みを変えようと夢見た。だが、いくら高邁な観念や思想、理念を描いたところで、実行に移さなければ何の意味もない。何の価値もない。僕がやっていた学生運動、革命運動など、所詮は観念の遊戯に過ぎなかったことに気付いたのだ。奥平たちの事件は僕の人生を一変させた。 こうして僕は、21歳の時に生き方を変えた。僕如きが軽々に革命を口にするのは申し訳ないと思ったのだ。もう革命とは決別しよう。偽善はやめよう。自分が否定し続けてきた資本主義の世界で、徹底的にのし上がってやろうと決めた。
ホワイトホワイト5年前3Dプリンターによる成形で実現したエアレス・タイヤ。パンクの心配や、空気圧チェックの必要が無くなる・・・・・・かもしれません。あとは、耐久性と、価格と、スポーツ走行による変形に耐えられるサイドウォール成形までできるかどうか、かしら。トレッド面は、全く問題なさそうなんです。オートバイや自転車、シニアカーや車椅子にも普及して欲しい。( 。・_・。 ) ●5