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ロングコートダディ堂前

お客さんから良いこんにゃくを頂いたので、料理をすることに。ただこんにゃくはどう料理したら美味しいのか分からなかったので、先生に聞くことに。 そう、こんにゃく先生だ。 こんにゃく先生は元同期。3年目くらいまでは共に芸の道を歩む仲間だった。こんにゃく先生は主にこんにゃくネタをやっていたが、こんにゃくでは売れない、まずこんにゃくが売れてくれないと話にならんと早めに見切りをつけて芸人を辞めてしまった。 辞めた後もちょくちょく遊んではいたが、今回連絡するのは久しぶりだった。電話をかけてみるとこんにゃく先生はすぐ電話にでた。 「もしもし!おいっす!久々やな!どうしたん?」 「久しぶり。いやちょっと相談があって」 「え?俺に相談ってことは…」 「そう」 「ボーリング?」 「なんでやねん」 「え?」 「え?」 「え?ボーリングしか分からんで俺」 「え?」 間違えてボーリングの先生に電話をかけてしまっていた。昔ボーリングを習っていた時の先生だ。 改めて電話をかけようと思い電話帳を見ると「先生」と登録している人が8人もいた。これはまずい。どれがこんにゃく先生か分からない。手当たり次第に電話をかけていけばいつか繋がるであろうが、絶対に電話したくない先生が一人いた。 エビフライ先生だ。 エビフライ先生は4年ほど前に通ってたエビフライ教室の先生。エビフライの調理に慣れてきて調子に乗った僕が「いやエビフライ以外も教えてくださいよー!(笑)」と言いながら油をひっくり返してしまって怖くなった僕はその場から逃げ出して、ごうごうと燃えるキッチンスタジオをその目に焼き付けて以来連絡はとっていなかった。 エビフライ先生にだけは電話したくない。怖い。 僕はもうこんにゃく先生は諦めようとも思ったが、それも何か悔しい。一人だけ、一人だけ電話をかけてみることにした。 「先生」に電話をかける。 たのむ…とりあえずエビフライ先生以外… プリリリ、プリリリ ガチャ でた!怖すぎ!! 僕はおそるおそる「も、もしもし…」と言うと 「おう、どした」 「えっと、ちょっと相談があって…」 「相談?お前が俺に相談ってことは…」 「…そう」 「ボーリング?」 「もうええわお前」 「え?え?!」 そこからボーリング先生と久しぶりにボーリングにいったりして楽しかった。

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