1月11日(金)
友達が頼むから代わってくれというのでハンバーガー店のバイトに入ることに。
そのお店で働いたこともないし本気で嫌だと言ったが聞いてもらえなかった。
お店に入って「石橋君の代わりに来た者なんですけど」と言うと
「話は聞いている。こっちに来い」とロン毛の男性にスタッフルームに案内された。
「俺の名前は沢田。よろしく。お前が何もできないのは知っているが、石橋の代わりということで今日はお前にポテトのポジションに入ってもらおうと思う」と、顔の前で言われた。
そのまま「ポテトを揚げたことはあるか?」と聞かれた。僕はマクドナルドで働いていたことがあったので「一応あります」と答えようとしたが「いちお」ぐらいで
「ハッハ!あるはずがないだろうな」と言ってきたので思わず「チッ」と舌打ちをすると
「舌打ちをするな」と言われた。
沢田さんは「でも大丈夫だ。安心しろ。ポテトを揚げるのに必要なことは3つだけだ。『勇気』、『やる気』、そして温度管理や時間管理や揚げ方の管理とかの『管理』。この3つさえ守っていればお前でも簡単にできる」と言ってきた。
「さあ、いってこい。戦場(ポテトを揚げたりするところ)へ。」と嬉しそうに言う沢田さんに「沢田さんはキッチン行かないんですか?」と言うと「俺は不衛生だからな。食品を扱えない」と言ってた。
昼のピークはなかなか忙しかったが、ポテト経験もあったので難なくまわすことができた。すると回りのスタッフが僕の事を「さすらいのポテ師」と呼んできた。しばらくすると「さすらいのポテ王」、「さすらいのポテ神」と名前が変わっていったが、途中で大きなミスをしてしまい最終的には「結構ポテトできる人」に落ち着いた。
勤務が終わり、スタッフルームに戻ると沢田さんがちょっとだけ散髪してた。ほんとにちょっとだけ。
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