「サッカー観戦について」
どのスポーツもそうですが、サッカーもまた独特な時間の流れ方が特徴になっています
試合展開、いわばメカニズムですね
「面白い!」と感じる人も、「つまらない!」と感じる人も、サッカー特有のメカニズムに支配されてるのは間違いないでしょう
好きな人にとっては、魅了されてると表現した方が適切かもしれません
覚えておきたいのは、すべてのルールを挙げてもたった17条しかないということです
基本的にルールが簡単であり、細かい部分はそれぞれのコモンセンスを拠り所にしているというわけです
条文の根底は反スポーツ・反紳士的行為をかたく戒めていることですね
第12条「ファウルと不正行為」にそのことが凝縮されています
シミュレーション、遅延行為、執拗な抗議、暴言、一切の挑発的行為はサッカーに限らず、社会一般で忌み嫌われる行為ですからね
それが何より大切なことです
面白く感じるためのポイントはボールを持っていない選手のポジショニングにあると思います
サッカー観戦し始めた頃は、だいたいボールを目で追うことに熱心になりすぎて全体を把握することを忘れがちです
慣れてくるとボールを持っていない選手の動きを追うのがいかに重要かということが理解できるようになってきます
それにはなるべく多くの試合を観戦することが大切ですね
サッカーは基本的にロースコアのスポーツであることを理解しておくのも大切です
何を当然のことを、と思われるかもしれませんが、退屈と感じる向きには、焦らしみたいな感覚が欠如してるのではないかと思われるからです
それを意識してみるだけで楽しみ方がかなり変わると思います
特にサッカーにおいては、試合結果よりプロセス、試合の流れを重視するようなところがありますからね
いわば内容ですね
あるいは勝者よりも、敗者側のあの場面でのあのシュートが凄かったみたいな興奮が熱っぽく語られたりします
細かい部分を分析する(楽しむ)という意味では他のスポーツ以上に顕著だと思います
たとえばオランダは非常に華麗なサッカー、パスサッカーの頂点です
世界でもトップの強豪国であることは世界中が認めています
しかしながらW杯では優勝したことがありません
優勝したことがなくても、そのパスワーク、ローテーションが織りなす鮮やかなサッカーを語る人間は尽きません
それこそがサッカーの魅力の重要なポイントだと思うのです
可能性、希望と言い換えても良いと思いますが、試合の勝敗云々より、あの場面でのあのパスワークが凄かった、という風に
あっと息を呑む瞬間の演出、それも予定調和ではなく、まったく想像しなかった場面で起きるほどドラマチックな効果をもたらします
それはサッカー特有のメカニズムが生み出すのだと思います
そこにサッカーの摩訶不思議な魅力の秘密があるのでしょう
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