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ショスタコーヴィチ
僕は鎖国主義について、非常に病的なものであり、コスモポリタンにとっての弊害であると考えているんですが、どうもそれだけでは割り切れない複雑な事情が絡んでいるようですね
かなり以前から気がついてはいましたが、国内状況ではあまりに感情的になるので詳細がわかりにくいというのが本音でした
むしろ海外のモデルから示唆を受けるのではないかと考えます
たとえば共産主義体制下の芸術家の信念について
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)という不世出の大作曲家に才能とナショナリズムの濃密な関係を垣間見る思いがします
セント・ペテルスブルグに生まれ、11歳でソヴィエト政権の成立を迎えることになり、以後58年間をソヴィエト・ロシアの人間として生きたこの20世紀を代表する交響曲の巨人の生涯は、ロシア・旧ソ連とともに歩む運命でした
モスクワ音楽院卒業と同時に「交響曲第1番」を発表したのが1925年
当時19歳
「ソヴィエト音楽界が生んだ最初の天才」「麒麟児」として絶賛を浴びます
それから半世紀にわたって激動の旧ソ連体制下で芸術家として生きたわけですね
西欧風のモダニズムと社会主義リアリズムの間で苦悩した悲劇の存在と定義するのはあまりにも安易ですが、情報の関係もあり、西側諸国ではある定着したイメージが語られてきたのは歴史的に仕方がない面もあるでしょう
「頽廃的」「プチブル的」「快楽志向的」という評価も一部とはいえ、あるいは羨望の眼差しも含まれての評価だったと思われます
純粋に音楽的観点から見て、チャイコフスキー、スクリャビン、プロコフィエフといった先人の影響が濃厚なのは明確ですね
これはオリジナリティーの欠如を意味するものではないでしょう
単なる歴史的系譜の確認に過ぎません
先人による影響という面では、あるいは、他国の音楽家にしろ似たような例はかなり多いと考えられます
このような一種のカオス状態の如き様相を呈しているのが20世紀に活躍した芸術家に共通する特徴とも言えるのではないでしょうか
体制に迎合したプロパガンダ作曲家というイメージは正しくないてすね
現在でもショスタコーヴィチがソヴィエト体制下に留まる決心をしたことについて明確な理由は解き明かされていないのです
あくまで鋭敏な推測に過ぎません
本人の弁などから今後の研究が期待されます
日本のような単純な鎖国主義によって影響される存在でないことだけは確かですね
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