秋山純のトーク
トーク情報- 秋山純
秋山純 No.124 【台風が接近中『栄光のバックホーム』への軌跡/秋山純(監督)】|映画『栄光のバックホーム』公式 https://note.com/fond_yarrow6300/n/nb305f040e4ad
秋山純 藪 医師(中山祐次郎)藪 医師(中山祐次郎) 映画が始まってから、12時間以上経ったいまでもまだ静かな感動に包まれています。
横田慎太郎の幼少期から、挫折、そしてプロ入り。懐かしい鹿児島の景色と共に、あっという間に物語に入り込みました。手元のティッシュで目をおさえながら、最後まで観させていただきました。隣の、いかにも業界人風の男性もぐすぐす言っておりました。
この物語にはいくつもの軸があります。母と息子。アスリートとプロスポーツ。男たちの友情。切ない恋。そして、わたしにとっては見るのがつらい、若年性のがん。
そのすべてが、ミルフィーユのように重層的に迫って来ます。その中で、安心して私は身を委ね、物語に没入していました。自分と横田慎太郎との境界が溶けていき、曖昧になります。
自分は慎太郎で、慎太郎は自分なのだ。その感覚で、ラストまで走り切りました。秋山純 藪 医師(中山祐次郎)藪 医師(中山祐次郎) 美しいシーンの数々もまた、物語を彩っていました。
降り出したばかりの、グラウンドを濡らす雨粒。
大輪の花火を見上げるアスリートたちのユニフォーム。
青臭い貼り紙だらけの息子の部屋で泣き崩れる母の背中。秋山純 藪 医師(中山祐次郎)藪 医師(中山祐次郎) ただ、どうしても言いたいことがあります。
私は、やっぱり横田慎太郎が亡くなったのが悔しい。悪いことをしたわけでもないのに、若くして病に倒れたことが、どうしても許せない。受け入れきれない。運命などという言葉で仕舞いたくない。
医者として、すさまじい敗北感を覚えたことも事実です。21世紀になって、科学は、医療はこんなにも発展したはずなのに、なぜこの人を救えないのか。
この映画は、横田慎太郎のみならず、家族がその病魔の受容の過程も描かれています。秋山純 藪 医師(中山祐次郎)藪 医師(中山祐次郎) どれほど苦しい受容をせねばならないのか。どれほど泣かねばならないのか。
運命はいつも残酷で、容赦がありません。その過酷な現実をどう受け入れるのか。どう納得するのか。私はその目でも観ておりました。秋山純 藪 医師(中山祐次郎)藪 医師(中山祐次郎) 試写が終わり、秋山監督がご挨拶をされたのですが、見城さんもいらしたのには本当に驚きました。会食を早退していらしたとのこと。
見城さんのスピーチもまた感動的でした。全人生をこの映画に乗せているという激しい気迫とともに、祈りのようなものも感じました。
出口で見城さんが立っておられるのにも衝撃でした!!!

