サムネイルに収録されている「誰が私を泣かせた？」これを何回もリピートしてしまった。この曲には良く出来た映画のワンシーンみたいに引き込まれる。楽曲の世界観に飲み込まれる感覚だ。 自分を見失った女性とそれを冷静に観てるもう一人の彼女がいて、夜の六本木を彷徨っている。ありありと描かれるのは、分裂した女性の心に映る夜の街。そんな詞である。 アレンジによる彩色が見事だと思う。それぞれの音源・パートがぶつかり合うのではなく有機的に作用することにより、立体的なサウンドスケープが生まれている。この想像的な空間に詞が入ってくるからこそ世界観が際立ってくるのだろう。 作曲:森脇正敏、編曲:佐々木裕、この組み合わせはSKE48の「ハレーション」と同じ組み合わせである。これを初めて聴いたのはたしかアイアライブだったが、あぶない音というのが第一印象。どデカイ万華鏡の中に放り込まれたかのような聴覚体験を味わったものだ。 「誰が私を泣かせた？」に戻るが、歌唱メンバーも面白い。大場美奈、沖田彩華、加藤美南、川本紗矢、北川綾巴、熊崎晴香、渋谷凪咲、向井地美音、森保まどか という選択基準のよく分からない編成であるが、聴けば端正な歌唱で良い感じに仕上がっている。 メロディー構成はフランス国旗だ。何がフランス国旗かと言うと、リズミックで端正なAメロ、無機質でちょっぴりエキセントリックなBメロ、ドラマティックで情感漲るサビ、この３つが私には青白赤のトリコロールを思わせるからだ。 そんなことを書いてたらもう朝だ。夜のさすらいを止めてもう寝よう。