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みきのトーク
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  • みき
    ロングコートダディ堂前ロングコートダディ堂前

    12月14日(金)
    天気が良かったので洗濯物を干す。
    僕は天気が良いと洗濯物を干すのだ。

    ベランダで機嫌良く干していると、Tシャツが1枚飛んでいってしまった。
    ヒラヒラヒラヒラと飛んでいく。
    これはまずい。
    このTシャツは僕の自作のTシャツで、何かログインする時とかに必要なパスワードが全て書いてある。
    これが無くなると久々にログインするものにログインできない。

    家を出てヒラヒラヒラヒラと飛んでいくTシャツを追う。かつおぶしを薄く伸ばした生地にしてしまったことを恨む。こんなに飛ぶとは。

    しばらく走って追っかけていると、道に紙が落ちてるのを見つけた。「2346」と書かれていた。
    僕とはまた別の人がパスワードをなくしている。
    このパスワード社会、パスワードの管理には本当に悩まされる。

    再び追いかけているとTシャツは雑居ビルの屋上に着地した。
    6階建てくらいだろうか。

    ビルの外に付いている錆び付いた階段を登る。
    カンカンカンと登っていると

    俺は何をしているんだと思った。

    俺はこんなことをするために大阪に出てきたんじゃない。
    ビルの外に付いている階段をカンカン登るための人生なんてまっぴらだ。

    でもそんなことを思っていても仕方がないので登りきった。

    屋上前までには到着したが、屋上への扉は鍵がついていた。パスワードを入力するタイプの電子錠だ。

    僕はもしや…と思い
    「2346」と入力した。

    開かない。

    どうしようと思っているとカンカンカンと音がしてきた。
    まずい。下から誰か登ってきた。
    怖い。
    怒られる。

    おじさんが登ってきた。
    僕は思わず「すいません」と言ったが、おじさんは僕を見るなり「4511」と言ってカンカンカンと再び降りていった。
    てっきり怒られると思っていたので安心した。

    僕は「4511」と入力した。

    開かなかった。

  • みき
    みき

    しよーぜ!!!ももマ吉もめちゃくちゃ楽しかったわ
    久しぶりにあんな涙出るくらい笑った😂
    来月福岡来てくれるからそれまで楽しみに待っとこ🥰

  • みき
    ロングコートダディ堂前ロングコートダディ堂前

    1月25日(金)

    西梅田劇場で漫才。
    漫才が始まって3分くらいだっただろうか、

    客席に妖精がいた。

    ちっちゃーい、30cmくらいの。
    キラキラ光りながら飛び回っている。
    普通にお客さんの目の前を横切ったりしているが、お客さんは気付いていない様子。
    僕にしか見えていないのだろうか。

    そんなことよりネタがスベっている。
    まずい。

    妖精のことは一旦気にせず、漫才に集中しようと相方の顔を見ると

    がっつり妖精を目で追っていた。

    相方も見えてる。

    まずい。集中してくれ、相方。

    どうしようかと客席の方を改めて見ると、

    2、3人だけ妖精を目で追っている。

    ちょっとだけ見えてる人おる。

    どうせなら全員見えていて欲しかった。
    ここで
    「ちょ、ちょ、ちょ!(笑)
    なんか妖精いません?!(びっくり顔)」
    と言ってもほぼほぼポカンとするだけだ。

    とりあえず漫才に集中することに。
    しばらく集中して漫才を続け、大事なくだりのところにさしかかる。ここでウケないともうきつい。
    すると、妖精がヒラヒラとこちらの方にやってきた。

    やめてくれ、今来るな。大事なところなんだ。

    相方に至っては「うわ、うわうわ!」ともう口に出してしまう始末。幸い、声量が小さすぎてお客さんには聞こえなかったが挙動不審になってしまっている。

    僕がなんとかしないと。

    僕の大事な台詞が近づいてくる。その時、

    妖精が僕の肩に止まった。

    そして僕の耳元で

    「今何時?」

    と言ってきた。

    ふざけるな。妖精が時間を気にするな。
    集中力を削がれてしまった僕は
    「大根おろしの神様やん!」という大事な台詞を

    「だんすり!」と噛んでしまった。

    相方もそれに対して「なんて!?」と言って最低限のフォローをしてくれることもなく

    「すげえ!妖精や!」

    と返してきた。

    そこから漫才はメチャクチャになってしまい、何一つウケない。
    妖精もずっと肩に乗っている。
    お客さんも帰れ帰れと空き缶を投げてくる。

    舞台上がほぼ空き缶だらけになり足の踏み場もない状態で
    最後、僕が
    「もうええわ」と言い、漫才を終わらせると

    妖精が肩から離れ、ヒラヒラと飛んでいった。

    相方はそのまま妖精を追いかけていってどこかに行ってしまった。まだ連絡が取れていない。

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