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300 極端こそ我が命 19のままさ  最終回である。「初恋」の結末を書かねばならない。  1年遅れて彼女も東京の大学に入学した。渋谷か新宿で待ち合わせ、映画を観、喫茶店で粘り、ささやかな食事をし、一緒にデモに参加した。アルバイトも常に一緒だった。  しかし、僕が出版社に就職してから、周りの景色が変わって来た。彼女は卒業したら清水に帰らなければならない。僕は東京で編集者を生業とする決意が固まっていた。お互いの気持ちに齟齬が生まれ始めた。  そんな時、同期入社の女性と特別な関係になった。2人と同時進行はできない。僕は彼女に好きな女性が出来たことを正直に告白した。新宿駅ビルの2階の喫茶店に彼女は僕より遅れて入って来た。雨が降っていた。白のTシャツに薄緑のカーディガン、黄色のスカートと緑のレインコート。その時の彼女の服装を今でも僕ははっきりと覚えている。彼女は声を上げて泣き、僕は耐えられずに1人で先に店を出た。後で考えると、人生で1番後悔する瞬間だった。若さとは愚かで残酷だ。僕は多分、生涯で最も純粋に愛した女性をその時に失った。  1988年8月20日、僕は浜名湖で行われた浜田省吾の野外コンサート会場にいた。夕闇の中に彼女もいた。凍りついたように一瞬目が合い、彼女は闇に紛れた。その瞬間、浜田省吾が「19のままさ」を歌い始めた。  「いつまでも忘れない 今でも目をこうして閉じれば19のままさ でも僕等 もう二度と あの日のきらめきこの胸に取り戻せない」 ( 。・_・。)φ_

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眠いんですすめサイボーグ009
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