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『個人回顧』 【ダービー卿チャレンジT】 馬連軸にしてマイネルアウラート。 陣営からも「逃げ、番手での競馬」を想定するレースだったが、道中の位置取りはまさかの6番~7番手。逃げ、番手の競馬で結果を出してきた同馬としては、押してでも先手を主張しなければならないはずが、最終コーナーで見せたのは大外回りの強引な競馬では厳しい結果が待ち受けてしまうのは当たり前。 不慣れな競馬ながらも鋭い差し脚を駆使して2着馬とはハナハナ差の僅差、スタート直後の判断だけが悔やまれるレース。ただただもったいないとしか感想はない。 【大阪杯】 増えすぎてしまったディープの血と、キンカメ産駒のほとんどにサンデーの血が含まれることで、今後はサンデー系牝馬との種付けが難しくなる状態に歯止めを掛けたいであろう社台の思いから予想を立てた。 出走14頭中、ディープ5頭、キンカメ4頭の中で繁殖産業の10年先を見据えて名門堀厩舎へのオーダーが、デムーロJを配して臨んだサトノクラウンが優勝するという計画、そして輸送で馬体が減ることも織り込み済みでマイナス12㌔の100%仕上げ。 恐らくこの計画、思惑の部分は間違っていないと今でも思っている。 全馬揃ったスタート。 マカヒキ、アンビシャスが終い勝負に徹するという話を聞いていた中、ノーザンFのオーダー通りキタサンをデムーロJが完全マーク。 勿論、瞬発力時計勝負では分が悪い事は分かり切っていること。暮れの香港ヴァーズで凱旋門賞2着馬ハイランドリールを接戦から競り落としたスタミナと強い根性を合わせ持つサトノならば位置取りこそが全てで、それを取りに行くのは当然。想定通りのレース運び。 堀調教師も「生涯最高のデキ」とコメントしたように、香港ヴァーズの再現を期待しての勝負の一戦であったという予想も間違ってはいなかったと思う。ほんの少しだけズレが生まれた800m地点までは…何故下げたのか。 「故障?」 キタサンがポジションを押し上げ、ステファノスが勝負所と判断して進出する中、序盤想定通りのレースプランを遂行しつつあったサトノはそこで歯車が狂った。 徐々にレースがスピードアップして行く中で、キタサンが前を追う体制に入った瞬間、溜めを作ってしまったデムーロJの判断。キタサンの上がりは34.3秒。サトノは34.2秒。上がりで0.1秒上回ったにも関わらず最終的に0.4秒の差が付いてしまったのは、単純に道中の位置取り。 一般の「瞬発力争いに巻き込まれ直線失速した」との判断と違い、社台内部としては「もっと積極的な競馬でキタサンを競り落としに行くべきで、そう指示も出ていた。」。 社台にとって、ディープの全兄にあたるブラックタイド産駒のキタサンが勝ち続けることは、屋台骨を支えるディープの価値を下げかねない。ディープの種付け料3000万円に対し、ブラックタイドの種付け料は200万円。この事態はただ指を咥えて見過ごせる問題ではない。 「ファンはキタサンが勝ってくれた事で盛り上がったと思うが、ここは里見さんが勝たなければならなかったレース。」とノーザンF。 レース序盤で併走していたステファノスが2着を確保したことを考えると残念に拍車が掛かる。 負け惜しみだが、普通に予想していれば取れたとも思う。 やはり騎手も馬も天才のようで、歯が立たなかった。 勿論、お互い馬の上で競走している訳ではないが、馬券として軸にするしない、入れる消すは闘いだと思う。 今週もその闘いに疲れた。 【P.S】 生産者・馬主・厩舎、3者が一致した意見で計画を立てようが、指示を出そうが、それが履行されるかどうか最後の砦は騎手の腕ということになる。騎手の瞬間瞬間の判断でレースは形成されて、スタートの優劣、道中の些細な不利や位置取り、そしてペース配分の見極め。騎乗する馬に対する騎手の理解が勝率や連対率に跳ね返ってくる。 何だかんだ言っても、その判断のレベルが平均で最も高いのが武豊Jなのだろう。だからこそ前人未踏の記録を次々と塗り替え、現役ながらレジェンドと称されるのだろう。 大概の騎手は厩舎サイドやオーナーサイドから騎乗方法の注文が付かない限りは「自分の感性を大事にして乗りたい」らしい。 その中でも、リーディングトップの戸崎Jはまさに感覚でレースに挑むタイプで、その感覚が研ぎ澄まされた時は当然ながら馬の力との相乗効果で上位争いに加わるが、しかし一方で、上のクラスに行けば行くほど、本人の感覚だけでは勝てないことも多くなる。 だから、戸崎Jのサークル内の評価は「良い馬に乗っているのにGIや重賞での成績が安定しないし、社台グループの主戦扱いと言っていいほどの馬を回してもらっているのに、GIで騎乗馬なしというおかしな状況になる」とのこと。

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