Dr.アフ郎Dr.アフ郎2015年02月17日 23:08109B61 78歳の女性。右利き。会話が困難になったため搬入された。 現病歴: 今朝、食事中に会話のつじつまが合わないことに家族が気付き、改善がみられないため救急車を要請した。昨夜の就寝までは異常はなかったという。 既往歴: 50歳時の健康診断で耐糖能異常を指摘されたがそのままにしていた。 生活歴: 息子夫婦と3人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。 家族歴: 両親ともに高血圧。父親が脳出血で死亡。 現症: 意識は清明。身長148cm、体重43kg、体温 36.1℃。脈拍 104/分、不整。血圧 152/74mmHg。呼吸数 16/分。過剰心音と心雑音とを認めない。呼吸音に異常を認めない。発音は流暢であるが、錯誤がみられ、言語理解が悪く、物品呼称も障害されている。復唱は家宝である。読字は困難で、書字は可能であるが文意がとれない。構音障害を含め脳神経に異常を認めない。四肢の運動系と感覚系に異常を認めない。腱反射は正常で、Babinski徴候は陰性。 検査所見: 尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 412万、Hb 12.1g/dL、Ht 40%、白血球 6,300、血小板 20万、PT-INR<prothrombin time-international normalized ratio> 1.09(基準 0.9~1.1)、APTT 24.3(基準対照 32.2)、血漿フィブリノゲン 306mg/dL(基準 200~400)、Dダイマー 2.2μg/mL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.1g/dL、アルブミン 3.5g/dL、AST 26IU/L、ALT 18IU/L、LD 232IU/L(基準 176~353)、血糖 138mg/dL、HbA1c 6.6%(基準 4.6~6.2)、トリグリセリド 154mg/dL、HDLコレステロール 38mg/dL、LDLコレステロール 143mg/dL。12誘導心電図で心房細動を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比52%。心エコー検査で左室壁運動は良好で、弁膜症を認めない。頚動脈エコー検査で左右ともに有意な狭窄を認めない。頭部MRIの拡散強調画像(別冊 No.9 A、B)を別に示す。同時に行った頭部 MRI異常を認めない。 治療として適切なのはどれか。 a 抗凝固療法 b 血栓溶解療法 c 抗血小板療法 d 抗脳浮腫療法 e ステント留置術