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  • 藪 医師(中山祐次郎)
    藪 医師(中山祐次郎)

    見城さん、秋山さん。
    昨日は、「栄光のバックホーム」の試写会に行かせていただきました。新橋駅から歩いて某ビルに入ると、こんなところに試写会の会場があるのか…とまずは驚き。入ると、目に飛び込んできたのは数日ぶりの秋山さんのお顔です。隣には松谷さんも!ご挨拶をし、写真を撮って、中に入ります。

  • 藪 医師(中山祐次郎)
    藪 医師(中山祐次郎)

    映画が始まってから、12時間以上経ったいまでもまだ静かな感動に包まれています。
    横田慎太郎の幼少期から、挫折、そしてプロ入り。懐かしい鹿児島の景色と共に、あっという間に物語に入り込みました。手元のティッシュで目をおさえながら、最後まで観させていただきました。隣の、いかにも業界人風の男性もぐすぐす言っておりました。

    この物語にはいくつもの軸があります。母と息子。アスリートとプロスポーツ。男たちの友情。切ない恋。そして、わたしにとっては見るのがつらい、若年性のがん。
    そのすべてが、ミルフィーユのように重層的に迫って来ます。その中で、安心して私は身を委ね、物語に没入していました。自分と横田慎太郎との境界が溶けていき、曖昧になります。
    自分は慎太郎で、慎太郎は自分なのだ。その感覚で、ラストまで走り切りました。

  • 藪 医師(中山祐次郎)
    藪 医師(中山祐次郎)

    美しいシーンの数々もまた、物語を彩っていました。
    降り出したばかりの、グラウンドを濡らす雨粒。
    大輪の花火を見上げるアスリートたちのユニフォーム。
    青臭い貼り紙だらけの息子の部屋で泣き崩れる母の背中。

  • 藪 医師(中山祐次郎)
    藪 医師(中山祐次郎)

    ただ、どうしても言いたいことがあります。
    私は、やっぱり横田慎太郎が亡くなったのが悔しい。悪いことをしたわけでもないのに、若くして病に倒れたことが、どうしても許せない。受け入れきれない。運命などという言葉で仕舞いたくない。
    医者として、すさまじい敗北感を覚えたことも事実です。21世紀になって、科学は、医療はこんなにも発展したはずなのに、なぜこの人を救えないのか。
    この映画は、横田慎太郎のみならず、家族がその病魔の受容の過程も描かれています。

  • 藪 医師(中山祐次郎)
    藪 医師(中山祐次郎)

    どれほど苦しい受容をせねばならないのか。どれほど泣かねばならないのか。
    運命はいつも残酷で、容赦がありません。その過酷な現実をどう受け入れるのか。どう納得するのか。私はその目でも観ておりました。

  • 藪 医師(中山祐次郎)
    藪 医師(中山祐次郎)

    試写が終わり、秋山監督がご挨拶をされたのですが、見城さんもいらしたのには本当に驚きました。会食を早退していらしたとのこと。
    見城さんのスピーチもまた感動的でした。全人生をこの映画に乗せているという激しい気迫とともに、祈りのようなものも感じました。
    出口で見城さんが立っておられるのにも衝撃でした!!!