ログイン
詳細
小田

2週間ぶりの出会いであり、5年ぶりの出会いであった。それは私をどこか遠くに誘(いざな)ってしまうのではないかと思わせるほど幻に近く、あまりにも現実であった。このジレンマに私は多く悩まされたしどこか楽しんでもいたのかもしれない。 現在にもこれからの未来にも、"過去"が付き物である。"過去"は消せない。変えられない"過去"。変えることができないから"過去"なのか。変えることができるから未来なのか。じゃあ現在はどちらであるか。変か不変か。 終電に忘れられた折り畳み傘、ストゼロを飲む親父。 最寄りの駅に向かうにつれて電車の外の明かりは少なくなっていく。乗車している人の数も少なくなっていく。時間の問題か。場所の問題か。 私に考える間も与えないうちに時計は次の日を示していた。"昨日"に思いを寄せる。それは紛れもなく"過去"である。その昨日の回顧には"5年前の現実"が含まれていることを忘れてはならない。 京王線で私は過去をまるで今のように思い出す。 彼女はとても綺麗だった。紅葉がまだ残る秋の暮れに薄雪を被る富士山のように。 どこか幼さを残した声。冷静に色々と考えて動いてるようで前しか見えてない、不意に見せる一直線なあの感じ。5年前とあまり変わっていない。 お台場の屋内型テーマパークは全体的に音が響き渡っていた。大きいとは言えない彼女の声は時折周りの雑音に負けてしまう。彼女の紡ぎ出した言葉を雑音とするわけにはいかない。膝を曲げ少し屈み顔を近づける。僕が話し返す。時折頷きながら私の話を聞く。 この情景はいつしかと変わらない気がした。変わったのは紡ぎ出された言葉の違い。 お台場の海を一望できるインド料理屋で昼食をとる。正確に言うと私から見えているものは店内と彼女で、彼女から見えているのがお台場の海と私であった。向かい合う私たちを透明なアクリル板が隔てている。彼女からはどう見えていたのだろうか。お台場の景色に見栄え負けしていただろうか。少し考えてみても、私がお台場に勝てるところなどひとつも無い。 気づけば日は暮れる。働く人々が灯す煌めきと夜が生み出す暗闇のお陰で私たちは輝いていた。終わって欲しくないという思いとは裏腹に時間は過ぎていく。目に焼きつけるだけでは不十分で、写真を撮る。写真はいい。「一瞬を永遠に変えるマジック」 曲げようのない事実に隠し味程度の脚色を足し、少しの間寝かせることで完成する。この物語はカレーに近い。このコク深さはそう簡単に作り出せるものでは無い。唯一無二とまでは行かなくても。いつかこの物語をあのインド料理屋さんに持っていこう。味では勝ち目が無いかもしれないが、ナンには良く合うかもしれない。もちろん私はラッシーを注文することを忘れない。 どれもすぎたことに過ぎないのだ。あくまで過去。もしくは幻想。ここまできたらどちらでも構わない。ここは東京。ここは2017。 終電の到着音が私を現実へと戻す。それでも私は彷徨い続けている。いままでも、これからも。目的地のない電車は、時間を忘れる。

前へ次へ
MAN WITH A ISSHOってなんでこんな名前にしたんやろ
トーク情報
  • 小田
    小田

    何かを下に見ることで生きていくのはやめよう。自分を卑下して生きていくのもやめよう。これができた時にはまた、大人への歩みの1歩だと思うんだ。
    最近は周りの人間のこんな生き方に嫌だな、と感じることが増えて。俺から距離を置かないとかな、とも思うようになってきて。
    人を選ばない、という考え方をどうしても捨てないとやっていけない時が来たのかもしれない。
    でも友達なら最後まで信じるよ。まだ大人になれてないだけかもしれないし、これが本当に正しい大人のあり方なのかも分からないからね。みんな自分のため、誰かのために生きてることが偉いよ。自分自身のペースで歩いていこう。
    俺らが2年前、確かに大事にしていたことは、間違ってなかったんだと少しだけ気づかされた気がします。
    俺も昔は間違ってたこともあった。反省してまた明日を歩こう。

  • 小田
    小田

    755アイドルデスゲーム、マジで俺が1番になっちまった。令和6年にもなって755更新してるアイドル俺だけか。時代かな。
    俺はやめねえから安心してくれ。

  • 小田
    小田

    逃げ水が神曲すぎて救われたこと、逃げ水に出会った高1から社会人になった今まで数え切れないほどある。

  • 小田
    小田

    完全に寝る直前だったんだけど、これだけは書き記さなければいけないのを思い出した。

    夏愛好家の俺も認めざるを得ない。

    秋の訪れ

    涼しい。もはや少し寒い。

    衣替えめんどくさいなあ。
    秋服買わないといけない。
    また出費だよ。

  • 小田
    小田

    もう2024年も終わろうとしているのか。
    仕事中にふと気づいて恐ろしくなった。