お彼岸は、春分の日と秋分の日をそれぞれ「中日（ちゅうにち）」として、その前後3日間を合わせた計7日間を指します。 由来と意味 仏教の「到彼岸（とうひがん）」という言葉に由来し、煩悩の世界である「此岸（しがん）」から悟りの世界である「彼岸（ひがん）」へ到達するための修行期間という意味があります。 春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈むため、ご先祖様がいるとされる極楽浄土（西の彼方）とこの世が最もつながりやすい日と考えられています。この時期にご先祖様を供養することで、極楽浄土に近づけるという考えが、お彼岸の始まりとされています。 ご先祖様への供養だけでなく、仏教の「六波羅蜜（ろくはらみつ）」という6つの善行（寄付や助け合いなど）を意識し、自分自身を見つめ直す期間でもあります。 過ごし方 お墓参り：ご先祖様や故人に思いを馳せながら、家族でお墓参りをするのが一般的です。 仏壇の掃除とお参り：自宅に仏壇がある場合は、仏具を含めて丁寧に掃除し、お供えをしてお参りします。 お寺での法要：お寺ではお彼岸の法要が行われ、亡くなった方の供養をします。 お供え物：春のお彼岸には「ぼたもち」、秋のお彼岸には「おはぎ」をお供えするのが一般的です。これらは小豆の赤色が邪気を払うと信じられていたことや、家族円満を願う意味が込められています。 精進料理：地域によっては、修行期間であるため、肉や魚を避けた精進料理を仏壇にお供えしたり、自分たちも食べたりする習慣があります。 2025年のお彼岸 春のお彼岸：3月17日（月）から3月23日（日）まで、中日は3月20日（木・祝）です。 秋のお彼岸：9月20日（土）から9月26日（金）まで、中日は9月23日（火・祝）です。 お彼岸は、お盆のように特定の儀式は少ないですが、ご先祖様を供養し、感謝の気持ちを伝える大切な期間です。