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ナナ散歩だよのトーク
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  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ
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    薪割りを始めました

    どんぐりの雨降らす
    コナラにクヌギに…

    落葉樹形麗しい
    ケヤキの樹に…

    はかなく枯れゆく
    サクラの樹枝に…

    寒いこの時期に
    様々な理由で伐採された
    この樹木たち
    虫喰いが少ない
    ピンク色の年輪の
    今年の丸太は
    じっとこの春を
    待っていたのだろうな
    ごめんね…
    最後の生き様として
    来年の薪に生まれ変わって
    天'樹'を全うしてくれ
    一本一本
    その重みを感じて
    みずみずしい香りと共に
    薪を積み上げてゆくよ
    今年の薪割りは
    始まった
    ばかり

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  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ
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    すっかり忘れてしまっていたよ

    この春のためだけに
    じっと苔むした鉢の中で
    待っていたんだよね…

    黄金色の花弁も色褪せて
    そっぽ向きたくもなるよね…

    梅の花芽を見上げてばかり
    足元の輝きに気付かないなんて

    三寒四温の心の余裕
    見回してごらん
    それぞれの春が
    詩い始めているよ…

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ
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    娘となって…
    父親らしく無いと
    離ればなれ…
    その思ひ
    たどり着けず…
    笑顔を
    失ったままの
    春風の落としもの…
    何を
    見ていたのだろう…
    何を
    見せていたのだろう…
    渾沌とした
    見えざる根の深さよ…

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    赤い還暦を笑い飛ばした途端
    あちこちで心身が
    言うことを聞かなくなり
    とぼとぼ紫の古稀へと
    首かしげ歩き出す…

    紫紺の喜寿を
    ゆうゆう越えゆく先達の
    垣間見せる物憂い呟きに
     心してその影を
      踏み踏まず……


    一年が過ぎるのはとても速い
    時計のはりが
    溶けて流れてゆく
    刹那に駆け巡る
    永遠の聲…

    今朝の春雨が
    とうとう寒さを
    優しく震わせている

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    蕭々と降る雨の気配に
    時間を忘れて
    目が覚めた

    軽い頭痛が
    両眼の奥から始まっていた
    気圧の変化に敏感に
    憂鬱な気分もやってきた


    昨日いっぱい
    お味噌作りを終えて
    ふっくら大豆に麹と塩少々
    納まった壺の中のお仕事は
    神さまの味加減と
    おいしい笑顔

    忙しない気に翻弄されつつも
    クレヨン色の春は
    もうすぐ…

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    みぞれから小雪に変わり…

    東風から春風へ移り…

    この時期は束の間の
    晩冬と早春との
    掛け合い自慢

    物知り顔の天気予報が
    ホッと胸を
    撫で下ろして
    いるよ…

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    …人間は一冊の書物なのである。人間が読むことを学ぶのは人間からであり、そして生涯読みつづけるのは人間そのものなのだ。
             (森本哲郎)



    奥の書棚にはいつまでも
    背表紙を並べたまま
    目の前の作業台の上には
    表や裏の表紙を散らかし
    積み重ねて遊く…

    読むことが
    下手で苦労するばかり…

    いくつもの世界が
    万華鏡の如く
    反転し続けているばかり…

    少し眼を閉じて
    言葉の耳を澄まして
    みようか

    春の昼下がり
    沈丁花の花芽が
    ちょっぴり
    うなずいたみたいだ