(続き)
自由と孤独は表裏一体。孤独に戦って初めて自由を手にいれる。
ここでの孤独は、別に仲間を作るなというわけではなく、1人になっても戦える強さがあるということです。
3:05の平手の強い眼差し。
孤独かつ自由な"強さ"を持つ平手。
3:06の泣きそうになりながらも叫ぶ平手。
3:06と3:07では、2回テレビの画面(ガラス)が割れているシーンが映っていますが、その2回の間で平手が自由になった(=解放された)表情をしています。
よく見ると、皆が周りにいることがわかります。
みんなを制し、平手が最後まで倒されずに戦いきった、感動のシーンです。
それでも、まだ新たな戦いは続きます。
生きている限り、戦い続けなければいけないんです。
解放される前に泣きそうな表情をしていたのに、戦う平手は楽しそうです。
3:17では、メンバーたちが平手に再び戦いを挑んでいます。メンバーたちは、一度負けても、何度でも戦うのだという強さを持っているんです。
傷ついて、"本物"になったメンバーたち。
最後まで孤独だった平手。
本当に見事なMVだと思います。
欅坂 対 世間
平手 対 他のメンバーたち
作り込まれてます。
【MVと合わせて考える、歌詞の意味】
歌詞には本物の犬じゃなくなった犬(戦わなくなった奴)と、
本物である吠える犬(戦う奴)と、
犬じゃない奴(勝者)が出てきます。
噛みつきたい気持ちを押さえて聞き分けのいいふりをするなというのは、メンバーを表現しているのだと思います。
犬ですらない存在になったら、ダメなんです。
平手や運営や秋元康自身や、大人たちに噛みつけと、秋元康は言っているわけです。
そして、今の幸せにしがみつかず、檻から抜け出せとメンバーに言っています。
Rock you!というのは、感動させろ!とか、(心を)揺さぶれ!とか、そういう意味です。
見ているものを感動させろといってるんです。
秋元康からメンバーに向けたメッセージです。
傷ついてすでに本物になった平手。
他のメンバーも、物理的ではなくても、安寧を求めずに戦って傷つけというサビ。
戦った末に、やはり平手に敵わなくて傷つくかもしれない。
でも、何度も挑めば、いつか敵うかもしれない。
そういうメッセージが籠ってます。
もしくは、アイドルという概念を決めつけて、それを求めるファンに対してのメッセージかもしれません。
全て失ったとしても、手にいれたい(かっこよさ)がある。
可愛さを求めるファンを失うかも知れないけど、傷つかないと本物の"かっこよさ"(=誰かを感動させる強さ)が手に入らないんです。
そういう意味では、平手も含めた欅坂メンバー対ファンや世間という図式になります。
世間の常識にとらわれた大人たちは"吠えない"犬だとしているのかもしれません。
全員じゃなくて、あくまでも常識にとらわれた大人のことです。
歌詞を見ていると、
俺たちは犬じゃないという一方で、
吠えない犬は犬じゃないから、吠えて本物になれという
矛盾が存在しています。
これは、世間に対するメンバーからのメッセージという意味と、秋元康からのメンバーへのメッセージという意味の二つが混在してるからです。
お前はもっと自由でいいという台詞は、"もっと"とあるので、平手に対するメッセージだと思います。
平手はソロでも「夜明けの孤独」という歌をもらったり、MVで"自由"の象徴として扱われたりしているので、間違いないでしょう。
(ただし、メンバーに対してという意味も含むと思います。)
戦うなら孤独になれといっていますが、別に21人の絆を否定しているわけではないです。
これは同調圧力に屈せず、もしくは日和見主義にならず、戦わなくちゃいけないときは孤独になれと言ってるんです。
つまり、絆はあってもいいけど、傷の舐め合いとか、そんなことをするなって言うわけです。
絆は持ったままで、一人一人戦えっていう意味ではないでしょうか。
群れてる"だけ"じゃ本物じゃない。つまり、群れることも時にはあってもいいけど、群れずにいるときもなければいけない。一人で戦わなければいけない時だってあるということです。
君は君らしく生きる、お前はもっとお前らしく生きる。
平手は"本物の犬"から、最後の方では勝者に変化しています。
そしてメンバーたちは吠えて"本物"になりました。次は、平手に挑んで"勝者"になれと、秋元康は言っています。
だからこそ、平手に対抗心を抱いていたゆいちゃんずを、センター横にした。
世間の印象が、欅坂=平手となっている中で、それを変えたいと思うメンバーたちの思いが、秋元康にこの歌詞を書かせたんだと思います。
ある意味平手の凄さが際立った気もしますが、今回は他のメンバーの表情などもかなり良く、グループ全体のレベルアップを感じました
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