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吉田真悟
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No.250 『泣くな研修医』 中山 祐次郎 著 (2019/02/05 幻冬舎) 2019/02/09(2/8読了) 現役の医師である中山先生のはじめての小説。駆け出しの研修医期間の約半年の悪戦苦闘の泣き笑いを書いている。ほぼご自身の私小説となる話であろう。 全体的に全てに優しい。例えるなら綿の手触り。悪い奴が一人も出てこない。少なくとも三回はハンカチを濡らした。しかし、医療現場の過酷な生々しい記述が今まで読んだどの小説よりリアルであった。人の生死に関わる特別な職業であるのにぺえぺえの新人は人として扱われない。そうしないと高度な技術が身につかないからだろう。人材不足や低い給料はその覚悟を試される踏み絵に思えた。そして短期間でふるいにかけられる。体力とそれをうわ回る智力、判断力、忍耐力、社会貢献が前提として必要であろうが、誰のための医療か悩み、無力を感じ、絶望しそれでも患者に感謝されてギリギリのところで踏ん張り続ける。 なぜ主人公の雨野隆治は医者になったのか?なり続けられるのか?最後の章に書いてある。 この後の隆治の圧倒的な成長を私は見たい。そして岩井医師や佐藤女医の苦悩や葛藤、その経歴をもっと深く知りたい。 そして、中山先生の次があるかは別として、CoCo壱の『五辛』を食べたい。 (*´ー`*) #泣くな研修医 #中山祐次郎 #幻冬舎

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