クールビューティ佐藤玲先生がついに主人公、キターーー!
鼻息荒げに読み始めて早速驚く、佐藤先生の日常の何気ない行動の描写。男性著者が書いたと思えない自然さにまずは驚く。←この驚きは755を通して中山先生を実際知っている人間として感じる一種の優越感かもしれない(ニヤリ)
しかしその違和感も一瞬にして消えるほど物語に没頭して一気読みしてしまいました。
「自分のやりたい事を突き詰めて生きたい」
佐藤玲が切に願うが迷い揺れ動く様は全女性が共感するでしょう。
どんなに男女平等に近い時代になったといえ生物的に子供を産めるのは女性だけだから。
産んだ後夫婦で協力すればいいじゃないかと言うが、母性という感情もまた時代が移り変わろうと全く普遍なものだから厄介なんだと私は思う。
それにしても医療現場においての女性の障害は一般社会よりもまだ遥かに厳しいのだと知りました。これは小説だけどかなりリアルなんだろう。
医者だって人間、医者だって女、佐藤玲の血の通ったリアルな感情の揺れ動きに私も大きく感情を揺さぶられました。
そして憧れの先輩東凱との脆くて儚い恋、そして別れ…
切なくて、切なすぎて心が引きちぎれそうになりました。
また東凱の命の炎が消えかけた時、匂いで表現しているところがあり、その箇所が私にはたまらなく好きです。
実は亡き母の最期に私も同じ嗅いだことがあります。母だけなのかと思っていたけど、死期が近いと訪れるサインだったのですね。
それをあんな官能と神秘の入り交えた表現で描くなんて…これは外科医であり小説家である中山先生にしか書けない所だろうと悶絶しました。(いや、全部がそうだろうけど)
外科医シリーズは毎回本当に面白いけど、特に女性の視点から描いた今作はやばかったです。
すぐに感想書かなかった自分、どうかしてるぜ。
今更ですが、『迷うな外科医 中山祐次郎著』の読書感想文
(現在地方にいるので本の写真が撮れず失礼、先生と割と近くにいる真鶴湾です)
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