[あやふやで、不確かな]
宮田愛萌 著 幻冬舎 刊
スマホのない恋愛なんて成立しない。
令和の恋愛には、スマホが大切なアイテム。マッチングアプリとか、既読がつかないとか、そんなスマホに一喜一憂する。便利なスマホがあっても、人と人を結んだりもするけれど、ひとの心が離れていくこともある。
昭和の恋愛には、''すれ違い''とか''待ちぼうけ"だとかのシチュエーションがつきものだった。そんな時間に恋心が募ったりもする。
4つのショートストーリーで構成されていて、素直な文章で読みやすく、引き込まれていった。恋愛の痛みも喜びも忘却の彼方の私とって、宮田愛萌さんの瑞々しい感性は眩しすぎて気後れしながらも、だけど(笑)。
自分で自分の気持ちがわからなくなったり、何かを伝えたくても、自分の想いを言葉にしないと相手には伝わらないね。20代の今を生きる愛萌さんの小説だから、今しか描けないものかもしれない。柔らかな風が吹いていた。そんな印象の本でした。
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