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修治
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辺見庸の「もの食う人々」と上原善広の「路地の子」は、自分に755を教えてくれた友人と自分に共通する愛読書だ。 今から17、8年前に溝口敦の「食肉の帝王」が面白すぎて、夢中になって読んだのだけれど、路地の子もそれに匹敵する面白さ。 2つの本に共通するのは、同和と食肉利権に絡む、当事者達やその周囲の人々の話し。 こういった内容なので、当然、政治家やヤクザなども絡んでくる。 もし読んだ事がない人がいたら「もの食う人々」「食肉の帝王」「路地の子」はかなりお奨めしたい。 マジで下手な小説や映画よりも10倍面白いです。 もっとも「もの食う人々」はすごく売れた本だから、読んだ人は多いと思うけれど。 食肉の帝王や路地の子については、多分snsで今まで二度か三度程書いた事がある。 ホント、それ位面白い作品です。 自分の部屋のベッドサイドには、いつもブコウスキーやオースター、マラマッドなんかと並んで上原善広の本が数冊積んであって、読みたいと思った時に手を伸ばせば届く様になっている。 ある時、その日も家でベッドに寝頃がって「路地の子」を読んでいたら、遊びに来ていた美容師やってる女友達が・・・ 「何をそんなに黙々と読んでるの?」と聞くので 「同和と食肉利権の本だよ。面白いよ、読んだ方が良いよ」と言ったら 「童話?なぜそんな子供が読む様なモノ読んでるの?」と言うので 「・・・・・・・・まぁ、バカはほっとくか」と内なる声が口に出ていたらしく、聞き咎められて怒っていた。 路地、同和、部落解放同盟・・・こういったキーワードは自分の出自に直結する。自分は部落の出だからだ。 作家の中上健次の〝紀州サーガ〟や、フォークナーの〝ヨクナパトーファ・サーガ:Yoknapatawpha Saga)などが好きな人には、この2冊は特にお奨めしたい。 中上健次、ウィリアム・フォークナー、ナサニエル・ホーソーンなどが好きな人は、上原善広の作品は気に入るんじゃないかと思う。 自分は上原善広の作品は他に、被差別の食卓・被差別のグルメ・異形の日本人などを持っていて、これらも本当に面白い作品です。

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修治のトーク
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  • 修治
    修治
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    2号店の後に、自宅に帰らずに1号店の方で映画を観ていた。観ていたのは1972年の方の『メカニック』(The Mechanic)
    ジェイソン・ステイサムのリメイクの方じゃなくて【ブロンソンの方のメカニック】といえば良いだろうかw
    明け方にお腹が空いたので、白菜とレタスとリンゴでサラダを作り、肉を焼いて、冷蔵庫の自家製ステーキソースをかけて食べた。美味しかった、お腹いっぱい⭐️
    食後にコーヒー☕️を飲んでたら、飼犬がご飯皿をくわえて『ボクにもゴハンちょうだい』というので...ステーキ用の牛肉を、味付けせずにフライパンで焼いて、カットしてからご飯🍚と混ぜて、ミルク🥛をかけ、さらにビタミン剤のタブレットを落として食べさせた。

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    珍しくまともに朝食を作った。明け方頃に、なんとなく味噌汁が飲みたくなったから。鰹と昆布の出汁の中に、茄子と大根の葉を入れて味噌汁を作り、自家製の塩鰆を焼いた。大根おろしを作り、沢庵を刻む。ソーセージは…正直言って、あまり食べたくなかったのだが(苦笑)ウエイトトレーニングを普通の人よりも激しくやる自分は、肉から得られるタンパク質と脂質の摂取の為に数本焼いた。
    この中で最も食べたかったのは味噌汁と沢庵で、実際に食べて最も美味く感じたのも、その2つだ。

    田舎出身の自分は、子供の頃に食卓に、特に朝食時のオカズに沢庵が出てくると、途端に不機嫌になったものだが、そのわけは子供の舌に沢庵というものは、特に美味く感じるものではないから。大体どこの家庭の子供もそうだろう。
    玉子焼きや、焼いたソーセージやハムなんかの方が、子供の口に美味いと感じられるのは当然だ。

    子供の頃に通っていた小学校の生徒達は、農村地帯の子供達と、町の子供達の2つの大まかなグループに分かれていた。まぁ町といっても田舎町である。単に農家が少ないというか、ほぼ無いエリアの、会社勤めや商店を経営している人達の住む地域を、自分の様な農村地帯の…その中でも特に〝部落〟と町の人達から意識してか無意識でなのか…軽く蔑称されているエリアの人間達は〝町〟と呼んでいた。

    町の子供達とは村の子供達も、学校では仲良くしていたから、町の子供達が朝食にどんなモノを食べていたのかは、聞いて知っていた。パン食の子供も多かったし、中にはコーンフレークなどという、40年前であれば、朝食にそんなモノを食べているのはハイカラな感じを受けた様な家庭も、町にはあった。
    勿論、町の子供達の中にも、朝食にご飯と味噌汁を取っている家庭も多かったのだが、部落の子供達との違いは、そのオカズである。
    彼等は朝食に、当時はかなり人気のあったマルシンハンバーグやミートボールなんかを食べていたのだ。これには当時、小学生だった自分は心底〝良いなぁ〟と羨ましかった(笑)
    自分だけではない、部落やその他の村の子供達は皆、町の子供達が食っているマルシンハンバーグやミートボールを羨ましがったのだ。

    大人になって成長するに従って、色々な物を食べていく過程で、あんなモノはちっとも美味くはない…肉は鶏・豚・牛なんかの、あまり良い部分ではないところを挽肉にして、ミックスして作ったハンバーグであり、ミートボールであって、実際には味の分かる大人が食えば、自分達が食べていたホンモノの塩引鮭やメザシ、ガンモドキの煮物や野菜の煮物、自家製の味噌で作った味噌汁、これも自家製の沢庵などの方が、はるかに美味くて身体に良いものである事が分かるのだが、子供の舌には湯煎で温めて食べるハンバーグが美味く感じたのだから仕方ない。
    沢庵は自家製だから、親達が作る過程を見ていたし、その工程を子供達は手伝わされもしていた。自分の家など庭に、沢庵を綺麗な黄色に着色する為だけに、クチナシの木が植えられていた。クチナシの木に実がなったら、摘み取って乾燥させてから、水につけて色素を抽出するのである。
    そんな40年以上も前の事を思い出しながら、今朝も沢庵を刻んで食卓に乗せた。
    塩鰆よりも焼いたソーセージよりも、沢庵が一番美味く感じた。

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