さくらさくら ![投稿画像]()

見城徹見城徹 後1週間経てば75才になる。角川書店(現・KADOKAWA)に入社して5年間ぐらいはどの作家のところへ行っても「担当編集者で君が一番若い」とよく言われたものだ。所属したのは総合文芸誌[野性時代]。編集長を含めて8人。今や僕以外は全員鬼籍に入った。当時、毎夜のように酒を飲んだ中上健次、立松和平、つかこうへい、高橋三千綱、坂本龍一らも既に亡い。編集者になって50年以上が経過した。僕はまだ編集者だ。
まさか出版社を自分で作ることになるとは想像もしなかった。高校時代から憧れだった五木寛之
さんと仕事をしたかった夢も僕の25通の一方的な手紙で現実となり、海外取材も4度同行させて貰った。幻冬舎を創立して3年目に書いていただいた[大河の一滴]はロングセラーとなり、累計部数は330万部に達している。初めてお会いした時、五木寛之さん44歳、僕は25歳。膨大な時間が流れたのだが、五木寛之さんと初めてお会いしたホテルのティーラウンジでの会話がまるで昨日のようにも思える。[大河の一滴]から30年。
来年の1月か2月には[大河の一滴 最終章]が
幻冬舎から刊行される。映画[栄光のバックホーム]、舞台[つか版 忠臣蔵]、書籍[大河の一滴
最終章]。僕はジーンズとブルゾンで走り回る
まだまだ現役の編集者だ。編集者になって良かった。