大悪魔の手には、うんちを模した鎌が握られている。
その禍禍しい刀身は、邪な輝きと、絶対的な「裁き」を兼ね備えていた。
ひた、ひたと、
一歩ずつ歩み寄る大悪魔。
眼差しを二人に向けたまま、確実に歩み寄る一歩は、二人にとっては死へのカウントダウンでもあった。
しょう「ま、待ってよ!!!」
本能から、生命への執着がしょうの全身に命令され、なんとか言葉を吐き出す。
傍らには青ざめたゆーたが、失禁の水たまりの中で、今にも消えてなくなりそうなくらいに小さく震えていた。
しょう「あの!待ってよ!待ってください!!なんでがいちゃんを苦しめたらダメなんですかっ?」
トゥリ「…知ってどうすんだっつーの…」
しょう「いや、だって!!その…確かに僕達言いすぎたかも知れないけど!!でも…そんな、殺されるほどの事じゃ!!!」
大悪魔は歩みをとめ、二人と自身の間のおおよそ2mほどの空いたそのスペースに、うんち鎌を差し出し、しょうの眼前でビタっと止めた。
トゥリ「お前、よぉ。」
トゥリ「人間、ウサギ、ライオン、カブトムシ…それぞれのその生き物の中の世界で、それぞれの命は平等だと思ってるか?」
しょう「…え?」
大悪魔は答えを待たない。
トゥリ「答えはよぉ、NOなんだよ。平等なんてのはよ、『思想』だよ。そうあるべき、勝手にお前ら人間が、そう思い込んで、そう妄信しているだけなんだな」
震えの止まらないゆーたは、小便の水たまりに大便をプラスし、汚物まみれになりながらも、その恥は感じる事のないまま、必死に大悪魔の言葉に食らいついていた。
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