MIOMIO9時間前鵬雲斎大宗匠 筆銀碗裏盛雪 ぎんわんりに、ゆきをもる。 白銀の器に、白銀の雪を盛る銀の椀に雪を盛る。『碧巌録』十三則にある巴陵顥鑑はりょうこうかんの言葉である。銀の椀に雪を盛れば、陽の光を受けて両者の見分けがつかなくなってしまったと嘆く。どこまでが銀椀でどこからが雪か。『般若心経』で言うところの「色即是空しきそくぜくう」の世界がここに繰り広げられた。10