☆ゴーン・ガール
同じフィンチャー監督の『ドラゴン・タトゥーの女』同様に、「実は狂言殺人でした」というオチがひとつあるのだが、この映画ではそのネタバレを物語の半分くらいでいとも簡単にエイミーの独白で済ませてしまい、そこから物語が第2の展開に進んでいくのがとても面白かった。後半は互いにマスメディアや他人を利用しての夫婦のバトルが繰り広げられ、ネタバレ後も目が離せない。ストーカーの男はなかなか気持ち悪いやつだったけど、20年も憧れ続けた女と少しの間だけでも一緒に生活できて、しかもやってる最中に殺されたんだったら満足してるんじゃないですかね。エイミーの顔が展開によって別人のように変化していくのも良い。一旦サイコパスだと知っちゃうとマジでいかれた顔にしか見えない。ストーカー男のところに逃げ込んだ時なんかも本当に酷い顔をしてた。小さい頃から親が自分をモデルというかネタにして絵本なんか書いちゃって、その中で描かれる「アメイジング」なエイミーと現実の自分の比較に悩まされたりしたら、あんないかれた女になってしまうのも仕方ないのかな。
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