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西 和紀
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「二人の嘘」 一雫ライオン  違和感を感じた。  何度も何度も「美しい」と表現される礼子だが、その使い方に唐突さを感じてしまって、私は読みながら礼子の美しい姿を想像できずにいたのだ。  その違和感に作者はちゃんと答えを用意してくれている。礼子は自分の美しさと賢さを判ったうえで、それを自制する明晰さも持ち合わせている。その美しさ群がる他人から必要以上の接触をされるのが煩わしいと考えてもいる。  ここまで考えてみてようやく思い至るのだが、文章の中で「美しい」と書かれる際のほとんどが、他人が礼子を美しいと評価した場面なのである。  この時点で作者は礼子がどのように美しいのか読者に説明するつもりがない。きっと今の状態は本当に美しいわけではないと伝えるためだろう。このことが後に金沢での輝くような二日間を浮かび上がらせる。  その「美しさ」の表現が少し色を帯びてくるのが聖森林の里学園を訪れたときだ。それまでの自身の正しさが揺らいで、美しく白い肌は一気に青ざめ、薄く美しい唇を閉じることができず、美しい顔を歪ませるのだ。  そして蛭間と会っている間は一度も美しいと表現されていない。  蛭間のために礼子が日常に戻った途端にまた「美しい」との表現が復活する。礼子が幸せでないことを、こんな表現で描写する作者の意図に感嘆させられる。そして最終章へ向けて期待を膨らませてしまうのだ。どれだけ礼子は幸せになれるのだろうかと!  電車の動きに取り残された自分の心臓を、後ろの車両に乗っている想い人が捕まえてくれるなんて、まるで中学生のような妄想と恋である。自分まで気恥ずかしくなってしまい、何とか実って欲しいと応援せずにはいられないじゃないですか!  その期待が最高潮に達するのが第八章のラストなのです!ここが私にとって最高のシーン。 「礼子は初めて、笑った」  私も初めて礼子の容貌が胸の中で像を結んだ瞬間である。最初はきっと弾けるような笑顔だと想像し、次にいやいや、初めて感じる幸せを噛み締めるような笑みなんじゃなかろうかと考え直し、やっぱりこの場面では弾けるような笑顔であってほしいと願ってしまったのでした。    最終章ではこれまで灰色だった世界から一転して色鮮やかな世界を見せてくれる。地下鉄で魚顔の女の子を見て思いついたアクアパッツァに対して、近江町市場の牡蠣やエビの美味しそうな描写といったら!一気に世界が色鮮やかになるのである。幸せとはこういうことなのかと思わされる。  ラストはまさに悲劇。しかし蛭間のいつも間違える手も、今回ばかりは礼子を軛から解き放って、幸せへと導く助けになっていてほしいと願う。  そんなことを思いながら本を閉じました。

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にしのトーク
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  • 西 和紀
    見城徹見城徹

    木原誠ニ官房副長官ほど人を舐め、国民を舐めている政治家はいない。人として終わっている。僕が会った政治家の中では最も政治家になってはいけない一人である。こんな人を中枢に置いている岸田政権はどんなに岸田総理が頑張ったとしても根本的腐っている。木原誠ニの言動がいかにデタラメかはいずれ明らかになるだろう。去年の12月週刊新潮が木原誠ニの銀座の女性との隠し子をスクープしていたが、それ以上に女、金、癒着などなど、僕に入って来ている情報はいくらでもある。

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  • 西 和紀
    見城徹見城徹

    「岸田総理は自分な意のままだ」と言いまくっているのが僕の耳にも入って来る。傲慢過ぎやしないか?

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  • 西 和紀
    見城徹見城徹

    岸田総理は国葬を一旦延期して、衆議院を解散し、国葬の是非を国民に問うべきだ。そして、選挙に勝って堂々と国葬をすればいい。姑息な理屈を並べるよりその方が気持ちがいい。信念があるならそれくらいやるべきだ。このままでは後ろめたい国葬になる。故人も浮かばれない。

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  • 西 和紀
    見城徹見城徹

    こんなに沢山の人のニセモノを作って楽しいのかね?
    755の運営さん。こんなのを許していたら755は終わりますよ。ニセモノはBANすべきです。
    よろしくお願いします。

  • 西 和紀
    西 和紀
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     昨日勇気を出してランチを食べに行った。もちろん「卵とベーコンのスパゲッティ醤油味」を食べるために。

     昨日は大事な日。ずっと連続して大事な毎日は続いているのだけど、特別に大事な日を朝から過ごして四ツ谷で午前の予定が終了。次のミッションは夕方からだ。
     同行者にいったん別行動をとることを伝えて自分の足はスパゲッティながいを目指す。

     四ツ谷駅からしんみち通りへ向かう道すがら、頭の中はスパゲッティながいの店内の様子でいっぱいになる。

     もちろん卵とベーコンのスパゲッティ醤油味の至福の味わいを思い起こして期待に胸が高鳴る。
     注文する際はやはり「見城さんの好きな卵とベーコンのスパゲッティ醤油味!」と指名するべきだろうか?
     そして今日は見城さんはいらっしゃるだろうか?いやいや、いらっしゃったとしても声をかけたりしたら迷惑だろうな。見城さんのMajiでKoiする時間を邪魔してはいけない。

     レストランに行く目的は美味しい料理を食べることであるべきだ。
     しかし自分の本心も痛すぎるほどわかっている。自分の正念場である本日、スパゲッティながいを訪れることでこれからやってくる大事な毎日を戦う勇気が欲しいのだ。
     交差点を渡ってしんみち通りに入る際に自分の足が少し震えていることに気づいた。

     カウンターに座りメニューを見るフリをしながら店内も一瞥。見城さんは今日はいらっしゃらないようだ。僕は何を期待していたんだろう。

     奥様だろうか?サーバーの女性は忙しく動いている。待っている間に一巡目のお客さんの注文が運ばれる。卵とベーコンのスパゲッティを頼んだ人は他にいないようだ。
     きっと常連さんたちが思い思いに好きなメニューを頼んでいるのだろう。この状況で「見城さんの好きな〜」と主張したら他のお客さんをしらけさせるんじゃないだろうか。タイミングを図ってメニュー通りの注文をする。
    「醤油味のスパゲッティ、卵とベーコンをお願いします。」
     女性がご店主にオーダーを通す際に
    「カルボイチ入ります」
    と聞こえた。
     以前755であのスパゲッティはカルボナーラか否かという論争があったんじゃなかったかな‥

    ご店主がソースの調理を始める。他のお客さんはウニタラコなどが多く、この二巡目にも卵とベーコンのスパゲッティ醤油味を頼んだのは僕だけのようだ。

     運ばれてきたスパゲッティの淡いイエロー。半熟卵とソースが絡み合って生まれる表面の光沢に期待感がはち切れそうになる。ベーコンとコショウの香りに空腹中枢をいやというほど刺激され、堪えきれずに口へ運ぶ。滑らかなソースとアルデンテの食感。これらの香味を醤油の味がバインダーとなって綺麗にまとめ上げている。そして火の入った醤油の香ばしい香りがまた醤油自身も主役であることを主張している。

     一口一口噛み締めるように食べる。最初は少し量が足りないかなと思っていたが食べ終わる頃には大きな満足感を得た。
     そうだ、自分はこの至福の時間のためにスパゲッティながいを訪れたのだ。

     ご店主に感想を伝えよう。うまく言えるだろうか、満足感を表す表情ができるだろうか。
    「ごちそうさまでした。とても美味しかったです。ごちそうさまでした。」

     階段を降りてしんみち通りを引き返す。
     足の震えはおさまったようだ。

  • 西 和紀
    西 和紀

    一方的にからみに行って、見城さんにわずらわしいと思わせるような投稿をすべきではなかった。

    ああとても恥ずかしい。
    しまっておくべきだった。

    それでもジョージさんが優しく拾って解説してくれたのが救いでありました。

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