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ケント

私にもそんな若かりし思い出が一つ。 花柳界の女性とよく遊んでいた頃。あるお店で腕時計を眺めて「これかっこいいな〜」と私がポツリと発したら、「じゃあ私がプレゼントします」とその場で購入して私にプレゼントしてくれた。 花柳界の女性にプレゼントをしたことはあっても、プレゼントされるなんてと目がまん丸になってしまった。 しばらくしたら、その妓との連絡が途絶えてしまった。やっと連絡が取れても「今忙しいのでお会いできないんです」とそっけない返事ばかり。 彼女が末期の乳がんで闘病生活の末に亡くなったことを風の便りで知った。 彼女とよく行ったバーのカウンターに私独り。そして誰もいない隣の席にも彼女の好きだったウィスキーの水割りグラスをママが置いてくれた。 「きっと、最期まであなたにはカッコいい姿のままでいたかったのね、彼女の最後の恋だったもの」と言ったママの言葉が蘇る。 お盆だからかな〜。見城さんの思い出を読んでいたら思い出してしまった。

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ケントのトーク(他者への想像力を駆使した言葉で考える!)
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