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TETSUO

「世界を存在せしめるために、かくて阿頼耶識は永遠に流れている。世界はどうあっても存在しなければならないからだ!しかし、なぜ?  なぜなら、迷界としての世界が存在することによって、はじめて悟りへの機縁が齎されるからである。世界が存在しなければならぬ、ということは、かくて、究極の道徳的要請であったのだ。  それが、なぜ世界は存在する必要があるのだ、という問いに対する、阿頼耶識の側からの最終的な答えである。 もし迷界としての世界の実有が、究極的な道徳的要請であるならば、一切諸法を生ずる阿頼耶識こそその道徳的要請の源なのであるが、そのとき阿頼耶識と世界は、すなわち、阿頼耶識と染汚法の形づくる迷界は、相互に依拠していると云わなければならない。  なぜなら、阿頼耶識がなければ世界は存在しないが、世界が存在しなければ阿頼耶識は自ら主体となって輪廻転生をするべき場を持たず、従って悟達への道は永久に閉ざされることになるからである。最高の道徳的要請によって、阿頼耶識と世界は相互に依拠し、世界の存在の必要性に阿頼耶識も亦、依拠しているのであった。しかも現在の一刹那だけが実有であり、一刹那の実有を保障する最終の根拠が阿頼耶識であるならば、同時に、世界の一切を顕現させている阿頼耶識は、時間の軸と空間の交わる一点に存在するのである。ここに唯識論独特の同時更互因果の理が生じる、と本多は辛うじて理解した」   三島由紀夫『豊饒の月』 第三巻『暁の寺』阿頼耶識論

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てつおの部屋
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  • TETSUO
    TETSUO
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    画像のAとBは同じ色。
     
    ブラックな環境の中では自身がブラックであることが認識できなくなる。

    3
  • TETSUO
    TETSUO

    「他者という異物を自分の中に抱え切れないなら、人と交わってはいけない。自分を憎む者のために祈れ。自分を理解しない者のために死力を尽くせ。」
     
    というあの方の言葉が、今の自分にとって大きな支えとなっている。人間関係を表現するには、これ以上の言葉はないと思う。
    凄い言葉だ。

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  • TETSUO
    TETSUO

    「誤解される人間の姿は美しい。誤解のカタマリのような人間こそほんとうだと思う。ありのままの姿で自他ともに納得し、安心するなんて、空虚だ。」
     
    岡本太郎の言葉に救われます。

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  • TETSUO
    TETSUO
    ナナ散歩だよ
    再びの(ごめんなさい、私の知る限りで🙇)ご登場ご掲載おめでとうございます❗️縁に触れ多'才'に移り変わりゆく紫陽花の花の色彩りに乗せて、お祝い申し上げます👏👏👏(ご無沙汰してましたので、ごめんなさい、遅くなりました)

    いつもありがとうございます。
    ナナさんのお言葉に救われます。

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  • TETSUO
    TETSUO

    カフカの寓話に、「カラスは天国を破壊できるかもしれないが、それは無意味だ。天国とはカラスが存在し得ないことそのものだから」とある。
    かつては話の通じない相手に苛立ちを感じていた僕だが、今では互いの世界線が交わることもあれば、交わらないことも自然だと感じるようになった。それぞれが自由に生き、わかり合えなくてもそれで良いのだと気づいた。僕がかつて破壊しようとしていた“カラス”は自分自身だったのだ。けれど世界は壊れなかったし、壊れようともしなかった。他者の世界は、入り込めないことそのものによって守られている。その不可能性こそが、それぞれの天国なのかもしれない。互いの世界を壊さず、想像し合うことこそが尊いと静かに思うようになった。