(続き)
クラシック音楽は古い時代から現代音楽まで、ジャンルも一応すべてには対応して聞きますが、どうしても好みによる偏りというものはあります。
ロシア音楽は国別で考えれば一番好きなのかもしれません。それは、クラシック音楽を本格的に聞き始めた頃から気付いていました。
CDではなくまだまだレコード全盛時代、少し音源として古くなって価格的に安いいわゆる廉価版のエルネスト・アンセルメとかアンドレ・クリュイタンスとかの往年の名指揮者の録音をむさぼるようにいっぱい聞いて好きになりました。
キーワードはロシアもの、フランスものそしてバレエ付随音楽。
その他では北欧系、スペインもの、南米系、中央アジア系のものも好きな部類に入ります。そして偏りの基は人気のものより日陰のもの、無名なものの中からの宝探し。超有名曲は脳内再生できるので特に聞く必要はないのです。
ジャンル的にはオペラや声楽曲、宗教音楽の比率はかなり低め。現代〜近代音楽もかなり足は踏み入れています。ヴァーレーズやジョリヴェ、グリエールが特にお気に入りの作曲家でメジャーなところではショスタコーヴィチ(但し交響曲でいえば人気どころの5などではなく、12,9,1あたり、そして映画音楽系やジャズっぽいものとか。)
指揮者の好みは一応秘密にしておきます(悪い癖で・・・現役の方を酷評してはいけないので)がウラジーミル・フェドセーエフはとても縁がある指揮者のひとりで好感度は高いと断言できます。ストラヴィンスキーの「春の祭典」の初聞きはフェドセーエフでした。
フェドセーエフにとってスヴィリドフは同郷の先輩で何度も録音し、演奏会ではこの「吹雪」はアンコール・ピースとして披露する力の入れようで購入したCD(ミハイル・グリンカとのカップリング)もその肩入れの一環なのでしょう。情熱的な演奏ですぐにお気に入りの一枚となりました。
プーシキンの原作を読んでもうひとつ気付いたこと。なぜ、カップリングがグリンカだったのか?
当初は単に無名の作曲家のわけのわからない作品を支えるための有名曲の配置とだけしか認識していませんでしたが、グリンカの頻繁に演奏される歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲・・・この歌劇の基はプーシキンの詩からきているということにやっと気付きました、遅すぎですね。近代ロシア音楽の基礎を築いたグリンカと同時代人で尊敬するスヴィリドフの対比という意味合いは当初からわかっていましたが。
(さらに続く)
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