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吉田真悟
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No.470 『女帝 小池百合子』  石井妙子著 (2020/05/30 文藝春秋) 2020/06/14(6/12読了) 膨大な資料や著書、証言者へのインタビューをもとに、小池百合子(現東京都知事)の生い立ちから現在までの実像を炙り出したタイムリーな第一級のノンフィクションだと思うのだが読み終えてとても虚しい。 この本を読んだほとんどの人が小池百合子をサイコパスと認識して投票しないだろう。なぜこんな出鱈目な平気で嘘をつく者が日本の首都に独裁者として君臨するのか。 まず、父勇二郎の存在が大きいと思う。一卵性親子と揶揄されるほど考えや行動がそっくりで、中身より外見に拘り、詐欺師的に大風呂敷を広げては周りを混乱させ、尻拭いは他人任せとなる。父親は落選して政治家になれずに実害は少ないが、娘は最初から学歴を詐称して男を手玉にとり、時の権力者に擦り寄り目立つところだけにしゃしゃり出ては都民や国民には目もくれない。おばはんの皮を被った中身は勇二郎そのものではないか。 擦り寄られる側では、細川護煕(日本新党)、小沢一郎(新生党)、小泉純一郎(自民党)、二階俊博(自民党)らが、因縁の仲として石原慎太郎、舛添要一らが登場する。 全く政治理念も無く風見鶏として政党を渡り歩き頼る男が用済みとなれば喰い殺して次を探すゴケグモとの表現がぴったりである。 もっとも理解出来ないのはこの暴挙を許すマスコミである。いかにテレビ出身とは言え都知事になってからの無策、公約不履行を無視し続け静観している。何らかのおぞましい力が裏に有ると思われてならない。 ただ「希望の党」と「民進党」の合併時の排除発言では健全に批判していたので国政は無理との判断なのか? いずれにせよ、この時期にカイロ大学がわざわざ小池の卒業を認めるコメントをするあたり、逆に相当胡散臭い。普通千に三つ嘘があっても信用を落とすが、彼女は千に三つ本当があるのだろうか?小学5年生の時の校内弁論大会で優勝したらしいが、そのお題が「ウソも方便」って笑えない。 今後、何も無ければ4年も都知事を続ける見込みとなり暗澹となるばかりであるが、小池とエジプトで2年あまり同居していた早川(仮名)さんの身の保証をしっかりとして実名で告発すれば、または裏事情を知る金庫番の水田昌宏(小池の遠縁)や特別秘書で現在東京水道株式会社社長の野田数(かずさ)らの証言が表に出たなら事態は変わるだろう。 いずれは権力の座から引き摺り下ろされて百条委員会等で惨めに追及されるだろうが、その時賞味期限切れのアイドルまがいのおばはんに当たるスポットライトの色は緑で決まりだな。 石井妙子さんの本は今回初めて読んだ。政治に全く興味が持てない時期の政党史などがとても分かりやすく纏められていて助かる。全体的にニュートラルな立場から冷静に鋭く斬り込んではいるが石原慎太郎氏の評価と本のタイトルはやはり違うな。歴代都知事No.1の評価とならないのは何故だろう。タイトルは『女帝』より『詐欺師』か『サイコパス』が適当と思う。 でも続編には期待している。

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千冊回峰行中!
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  • 吉田真悟
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    No.733 
    『八日目の蝉』角田光代著
    (2007/3/25 中央公論新社)

    2024/05/14 
    (Amazon Audibleで3/19視聴)

    不倫相手の子供を衝動的に盗み出し、数年も連れ回す主人公に徐々に情が移っていくが、いつ捕まるのかと緊張感がずっと続いた。

    母親ごっごに付き合わされるが、決して不快ではない。子を守る母親として主人公の「希和子」になりきり、行く先々で世話してくれる他人の人情に触れ、逃亡生活をハラハラしながら追っかけて、最後は誘拐が発覚して捕まってしまい一旦ホットするも、今度は「薫」(子供)の目線でその後の第二章が始まる。希和子と同じような不倫をしてしまう薫に、またかといった諦めを感じる。

    希和子と薫の最後のすれ違いについても、やきもきしつつ諦めてしまう。
    そこで出会ったなら、お互いを十分に理解できただろうかな?

  • 吉田真悟
    吉田真悟

    No.734
    『キングスマン ファースト・エージェント』
    『キングスマン』
    『キングスマン ゴールデン・サークル』
    3作品、3/20に観覧終了(Amazon Prime Video)

    本気で作った紳士の国の映画だった。
    何度も観たが、痛快で面白い。金をかけているのがよくわかる。
    そして人が簡単に死ぬため罪悪感がない。そこが良い。

    「ファーストエージェント」
    1914年当時(どこまでが本当か私にはわからないが)
    凶悪な「羊飼い」との死闘を終えたオックスフォード公が、
    英国国王ジョージ5世の協力の下、高級テーラー内に国家権力から独立した諜報機関「Kingsman」を作る話。

    ・イギリス国王のジョージ5世、ドイツ皇帝のヴィルヘルム2世、ロシア皇帝のニコライ2世がいとこ同士だったとは知らなかった。
    ・「羊飼い」を名乗る謎の男が世界を混乱させるべく秘密会議を開いていたが、ロシアの怪僧ラスプーチン、女スパイマタ・ハリ、ロシアの革命家レーニンといったそうそうたる歴史上の人物が登場する。後に世界を震撼させるキーパーソンたち。なのでなかなか、スケールの大きい時代がかったスパイアクション映画となっている。

    「キングスマン」
    キングスマンのメンバーの一人が冒頭で死んでしまい、その後任を危険な試験で選抜する。かつて自分の父がメンバーだったエグジーがもう一人の女性と選ばれるが、スマホを使い世界中を暴力的に洗脳する悪と戦うといった超アクション大作である。杖や傘などの独特の武器や防御アイテムが面白い。エグジーの成長と義理の父親との対決に鳥肌がたった。少年が一人前の大人にいきなりなってしまい、まぶしいのである。

    「ゴールデン・サークル」
    麻薬密売組織ゴールデン・サークルの女ボスとの闘いがメインのストーリィ。
    麻薬に仕込んだ毒物により世界中がパニックになるが、すんでところで解毒剤を手に入れて世界を救うというお話。
    米国諜報組織ステイツマンとキングスマンの関係(バーボンやテキーラって太陽に吠えろか?)が近いのか遠いのかいまいちわからなかった。親しい仲間の死がさらっとしていて心に沁みた。

    新作が出たら必ず観るよ。

  • 吉田真悟
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    No.735
    『変な家』 雨穴著(2021/07/22 飛鳥新社)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/22に視聴) 
    ホラー・サスペンス。
    緻密にデザインされたディテールは凄いの一言。
    本当に怖くなり鳥肌が何度も立ったが、引き寄せられて先を読みたくなる。
    中毒性がある本である。夜に一人では読まない方が良いな。おしっこ漏らしそうだから、映画は観ない(^^)/

  • 吉田真悟
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    No.736
    『変な絵』 雨穴著
    (2022/10/20 双葉社)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/22に視聴) 
    ばらばらの不気味な話がどう合体していくのか?
    結末を知りたいのだが、恐ろしいし、不気味だし、躊躇しながら先を読んでしまう。一体誰が主人公?犯人?被害者?いびつな絵の意味が分かってくると恐怖が何倍にも膨れ上がる。
    最終章でやっと最初の絵の意味が分かり、主人公が分かって全部つながった。
    どえれー怖かった。
    夏にぴったりの本。

  • 吉田真悟
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    No.737
    『吉原手引草』 
    松井今朝子著
    (2007/3/1 幻冬舎)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/23に視聴) 
    身請けが決まった遊女・葛城が、幸福の絶頂に突然失踪する。多くの人のインタビュー(3人称多視点)でその事実が明らかになっていく。
    どうも、仇討ちが隠れているし、人情噺でもある。
    よくある形式だが、書くのは大変であろうと思う。
    いきさつを忘れてこの文章を今、書いている。はぁ。

    第137回直木賞受賞作と聞いて気になって古本屋で買った。大変面白かった。

  • 吉田真悟
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    No.738
    『夜と霧』
    ヴィクトール・E・フランクル著(2002/11/06 みすず書房)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/24に視聴) 
    極限の恐怖でも生還することが分かっていたからなんとか読めたがきつい本だ。
    人間の尊厳やプライドが粉々になったとき、人は何をしだすのか?
    人類全体の負の貴重な体験記録である。子孫に語り継がなくてはならないと思った。
    今日石で追われた人達が明日は別の民を蹂躙する。
    今、ガザで起きていることはこの本とは全く関係ないと思おう。人類の進歩はいつまで止まったままだろう。共通の敵が現れない限り、その連鎖は繰り返すのだろうなぁ。愚かなり

  • 吉田真悟
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    No.739
    『読書という荒野』
    見城徹著
    (2020/04/03 幻冬舎文庫) 

    2024/07/02 (Amazon Audibleで3/25に視聴) 
    読んだはずなのに覚えていないことだらけで愕然とする。見城先生のお祖父様は森鴎外の友人で高名な医者だったそうだ。今更知る驚愕の事実。多分忘れただけなのだが。

    いったん読むと、とんでもなく読みたい本が増えてしまう。いや、前回もピックアップしたはずだが、怠慢である。『罪と罰』、『邪宗門』から読んでみるか。

    そうすると『仮面の告白』、『豊穣の海』、『金閣寺』などはいつになったら読めるのだろうかな。細かく読書計画を立てなくてはならないなぁ。早く読めよ自分!

    読書が荒野になる日まで精進しよう