ログイン
詳細
吉田真悟
投稿画像

No.511 映画『太陽は動かない』 監督:羽住英一郎 脚本:林民夫 原作:吉田修一 『太陽は動かない』(幻冬舎) https://www.gentosha.co.jp/book/b8011.html 『森は知っている』(幻冬舎) https://www.gentosha.co.jp/book/b11022.html 配給: ワーナー・ブラザース映画 出演: 鷹野一彦(藤原竜也)/田岡亮一(竹内涼真)/AYAKO(ハン・ヒョジュ)/ディビット・キム(ピョン・ヨハン)/山下竜二(市原隼人)/菊池詩織(南沙良)/鷹野一彦:高校時代(日向亘)/柳勇次(加藤清史郎)/風間武(佐藤浩市) /横田栄司/翁華栄/八木アリサ/勝野洋/宮崎美子/鶴見辰吾 ほか 2021/03/11(3/6観映) 映像化を考えた時点で脱帽するしかない。頭がおかしい人達である。 監督は『海猿』『おっぱいバレー』などの羽住英一郎。 脚本は『永遠の0』『ラストレシピ』『糸』などの林民夫。 原作は芥川賞作家、吉田修一の“鷹野一彦”シリーズの『太陽は動かない』『森は知っている』『ウォーターゲーム』三部作のうちの前ニ作。 世界を股にかける産業スパイ組織:AN通信のエージェント・鷹野一彦(藤原竜也)と相棒の田岡亮一(竹内涼真)は心臓に爆弾を埋め込まれながら過酷なミッションを遂行する。24時間ごとに組織に連絡しパスワード解除し無ければ組織を裏切ったと見做され爆死させらてしまうのである。なぜそうなったかは原作を読まなければ伝わらない。幼児期に大人から虐待を受け行き場所が無くAN通信に引き取られ戸籍も消され産業スパイとして訓練を受ける。組織に仕え続けると引退時(35歳ごろ)には遊んで暮らせる程のお金が手に入るからなのだ。自分の人生を呪いながらやけくそで命を賭けているのかもしれない。 映画の冒頭から息をつかせぬ激しいアクションシーンが続く。 ロケ地もブルガリアのソフィア、香港、インド、銀座などアジアの各地が映し出され飽きさせない。列車やヘリコプター、貨物船を使ったアクションシーンは映画ならではのド迫力があった。 『太陽は知っている』より次世代太陽光発電技術に絡む企業や組織のせめぎ合うシーンに、『森は知っている』から鷹野達の悲惨な生い立ちや訓練の回想シーンが交互に織り込まれ一瞬混乱してしまう。子役、高校生時代、成人役と演じる3人がすんなり繋がらなかった。 エンドロールでは本編では流れない映像が流れ、今後の続編を匂わせて終わる。もしそうであるなら原作二作品を別々に映像化した方がスッキリとすると思った。 そもそも、藤原竜也が主役として適役かはあるが憎めないAYAKOにはセクシーな日本人女優が向いていると思う。話題のウィグル、チベット問題も不問となっていて悶々としてしまうし……… でも続編にも期待しているよ(^^;

前へ次へ
千冊回峰行中!
トーク情報
  • 吉田真悟
    吉田真悟
    投稿画像

    No.733 
    『八日目の蝉』角田光代著
    (2007/3/25 中央公論新社)

    2024/05/14 
    (Amazon Audibleで3/19視聴)

    不倫相手の子供を衝動的に盗み出し、数年も連れ回す主人公に徐々に情が移っていくが、いつ捕まるのかと緊張感がずっと続いた。

    母親ごっごに付き合わされるが、決して不快ではない。子を守る母親として主人公の「希和子」になりきり、行く先々で世話してくれる他人の人情に触れ、逃亡生活をハラハラしながら追っかけて、最後は誘拐が発覚して捕まってしまい一旦ホットするも、今度は「薫」(子供)の目線でその後の第二章が始まる。希和子と同じような不倫をしてしまう薫に、またかといった諦めを感じる。

    希和子と薫の最後のすれ違いについても、やきもきしつつ諦めてしまう。
    そこで出会ったなら、お互いを十分に理解できただろうかな?

  • 吉田真悟
    吉田真悟

    No.734
    『キングスマン ファースト・エージェント』
    『キングスマン』
    『キングスマン ゴールデン・サークル』
    3作品、3/20に観覧終了(Amazon Prime Video)

    本気で作った紳士の国の映画だった。
    何度も観たが、痛快で面白い。金をかけているのがよくわかる。
    そして人が簡単に死ぬため罪悪感がない。そこが良い。

    「ファーストエージェント」
    1914年当時(どこまでが本当か私にはわからないが)
    凶悪な「羊飼い」との死闘を終えたオックスフォード公が、
    英国国王ジョージ5世の協力の下、高級テーラー内に国家権力から独立した諜報機関「Kingsman」を作る話。

    ・イギリス国王のジョージ5世、ドイツ皇帝のヴィルヘルム2世、ロシア皇帝のニコライ2世がいとこ同士だったとは知らなかった。
    ・「羊飼い」を名乗る謎の男が世界を混乱させるべく秘密会議を開いていたが、ロシアの怪僧ラスプーチン、女スパイマタ・ハリ、ロシアの革命家レーニンといったそうそうたる歴史上の人物が登場する。後に世界を震撼させるキーパーソンたち。なのでなかなか、スケールの大きい時代がかったスパイアクション映画となっている。

    「キングスマン」
    キングスマンのメンバーの一人が冒頭で死んでしまい、その後任を危険な試験で選抜する。かつて自分の父がメンバーだったエグジーがもう一人の女性と選ばれるが、スマホを使い世界中を暴力的に洗脳する悪と戦うといった超アクション大作である。杖や傘などの独特の武器や防御アイテムが面白い。エグジーの成長と義理の父親との対決に鳥肌がたった。少年が一人前の大人にいきなりなってしまい、まぶしいのである。

    「ゴールデン・サークル」
    麻薬密売組織ゴールデン・サークルの女ボスとの闘いがメインのストーリィ。
    麻薬に仕込んだ毒物により世界中がパニックになるが、すんでところで解毒剤を手に入れて世界を救うというお話。
    米国諜報組織ステイツマンとキングスマンの関係(バーボンやテキーラって太陽に吠えろか?)が近いのか遠いのかいまいちわからなかった。親しい仲間の死がさらっとしていて心に沁みた。

    新作が出たら必ず観るよ。

  • 吉田真悟
    吉田真悟
    投稿画像

    No.735
    『変な家』 雨穴著(2021/07/22 飛鳥新社)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/22に視聴) 
    ホラー・サスペンス。
    緻密にデザインされたディテールは凄いの一言。
    本当に怖くなり鳥肌が何度も立ったが、引き寄せられて先を読みたくなる。
    中毒性がある本である。夜に一人では読まない方が良いな。おしっこ漏らしそうだから、映画は観ない(^^)/

  • 吉田真悟
    吉田真悟
    投稿画像

    No.736
    『変な絵』 雨穴著
    (2022/10/20 双葉社)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/22に視聴) 
    ばらばらの不気味な話がどう合体していくのか?
    結末を知りたいのだが、恐ろしいし、不気味だし、躊躇しながら先を読んでしまう。一体誰が主人公?犯人?被害者?いびつな絵の意味が分かってくると恐怖が何倍にも膨れ上がる。
    最終章でやっと最初の絵の意味が分かり、主人公が分かって全部つながった。
    どえれー怖かった。
    夏にぴったりの本。

  • 吉田真悟
    吉田真悟
    投稿画像

    No.737
    『吉原手引草』 
    松井今朝子著
    (2007/3/1 幻冬舎)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/23に視聴) 
    身請けが決まった遊女・葛城が、幸福の絶頂に突然失踪する。多くの人のインタビュー(3人称多視点)でその事実が明らかになっていく。
    どうも、仇討ちが隠れているし、人情噺でもある。
    よくある形式だが、書くのは大変であろうと思う。
    いきさつを忘れてこの文章を今、書いている。はぁ。

    第137回直木賞受賞作と聞いて気になって古本屋で買った。大変面白かった。

  • 吉田真悟
    吉田真悟
    投稿画像

    No.738
    『夜と霧』
    ヴィクトール・E・フランクル著(2002/11/06 みすず書房)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/24に視聴) 
    極限の恐怖でも生還することが分かっていたからなんとか読めたがきつい本だ。
    人間の尊厳やプライドが粉々になったとき、人は何をしだすのか?
    人類全体の負の貴重な体験記録である。子孫に語り継がなくてはならないと思った。
    今日石で追われた人達が明日は別の民を蹂躙する。
    今、ガザで起きていることはこの本とは全く関係ないと思おう。人類の進歩はいつまで止まったままだろう。共通の敵が現れない限り、その連鎖は繰り返すのだろうなぁ。愚かなり

  • 吉田真悟
    吉田真悟
    投稿画像

    No.739
    『読書という荒野』
    見城徹著
    (2020/04/03 幻冬舎文庫) 

    2024/07/02 (Amazon Audibleで3/25に視聴) 
    読んだはずなのに覚えていないことだらけで愕然とする。見城先生のお祖父様は森鴎外の友人で高名な医者だったそうだ。今更知る驚愕の事実。多分忘れただけなのだが。

    いったん読むと、とんでもなく読みたい本が増えてしまう。いや、前回もピックアップしたはずだが、怠慢である。『罪と罰』、『邪宗門』から読んでみるか。

    そうすると『仮面の告白』、『豊穣の海』、『金閣寺』などはいつになったら読めるのだろうかな。細かく読書計画を立てなくてはならないなぁ。早く読めよ自分!

    読書が荒野になる日まで精進しよう