No.702 『分断を乗り越えるためのイスラム入門』内藤正典著 (2023/07/25 幻冬舎新書　No.698） 2023/10/27（10/25読了） 今月10月7日にイスラム原理主義組織ハマスがイスラエルへテロ攻撃を行い、これに対してイスラエルが報復し、憎悪と悲しみの連鎖が止まらない。 今までイスラムには関心が薄かったが、俄然興味が涌き、このタイミングで読もうと思い買い求めた。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の違いや歴史、一般的ムスリムの文化や習慣などが勉強出来て、とてもタイムリーで有意義であった。出来るなら今回のテロに対してもコメントして本を出し直して欲しいものである。 ハマスは極悪非道な狂信的クズ組織だが、イスラエルはジェノサイドの被害民族でありながらパレスチナに対して同じ事を行う立派なテロ国家である。これは戦争では無い。テロとテロの応酬である。 罪のない子供をあと何万人殺したら争いが止むのか？ 宗教なんかどうでも良い、世界中から無くなれと叫びたい。 本当の悪党は誰か？ 戦争が起きる方に賭けて、武器を売り、原油を高騰させて、弾の届かないところからショックドクトリンを仕掛けて、ほくそ笑む卑怯な奴らの顔が目に浮かぶ。 多面的に冷静に考え、早急に解決策が無いか探るが諦めの溜息しか出てこない。 第三次世界大戦はもう始まっている。 以下自分用メモ ・ムスリムとは神と個人が契約（信心）したイスラム教徒のこと ・ムスリムの死生観 →死んだら神の審判を受け、天国か地獄かそれらの中間に振り分けられる。生前は気前よく、徳を積まないと天国には行けない。過激派はジハード（聖戦）や自爆テロで死んだら天国に行けると信じている。 ・なぜ、一つの神から三宗教が派生し、その信者らが聖地を巡り争い合うのか？ →スッキリはしないが、大体の歴史や現状の理解が進んだ。 ・イスラム教ではモーゼもイエスもムハンマドも同じ預言者である。 →キリスト教では神と子と精霊とが三位一体化している。このイエスが神の子ということがムスリムからは認め難いのだそうだ。 ・ユダヤ教だけが一民族の宗教である。（選民思想） →ムスリムは全世界で20億人を超えて１位のキリスト教（25億人）に迫る勢いらしい。対してユダヤ教の人口は1500万人ほどでキリスト生誕から600年も後に出来たイスラム教が広まり世界はイスラム化している。 ・イスラムの経典は →預言者ムハンマドが神のお告げをまとめた「コーラン」とムハンマドの言行を集めた「ハディース」の二つのみ。 ・ムスリムの禁忌 →＊通（死刑）、飲酒、ハラールの手続きのない豚肉などを食う事。 ・イスラム教を政治体制としている国家 →イラン、アフガニスタン、アルジェリアな少数。大半は世俗的で欧米化が進んでいる。サウジアラビアには米軍が駐留していて、今回の10月のハマスのテロはイスラエルとサウジが接近したことで発生したを言われているが....。