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ikutama

私の実家には103歳になる祖母がいる。私が高校生の頃までは、毎日家事や畑仕事をこなし、私は何一つ勝てなかった。大学生の頃、少し息を切らすようになった。社会人になって少しずつ恩返しに努めた。結婚した私に、「心配だから早く家を建てろ」と言って、多額の補助をしてくれた。 それから約10年たつ。「歳をとって迷惑をかけたくない」と言っていたが、徐々に歩けなくなり、難しい会話もできなくなった。毎日新聞を何度も読み返していた。「苦しい、苦しい」と言いながら無念そうに、73歳の母に介護されていた。一歩ずつ意識が遠のきながらも生きる。数ヶ月前に帰ると、寝たきりで、殆ど会話は成立しない。指の運動をして、足をバタバタ動かす。頭をコツコツと叩き必死に何かと戦っていた。私が帰ろうと挨拶をすると「うまいものは食べたか?この子に、何かやってくれ」と母に言った。昨日様子を見に帰ると、ずっと歌を歌っていた。意識が遠のいた分、苦しそうではない。私の顔を見て、名前を思い出す。私が足揉みをする間だけ歌をやめる。長生きするには、健康な身体、鍛え続けた頭、衣食住を維持する環境が必要で、最後には食事や呼吸一つずつが苦しくなり、意識を正常に保つにも強靭な精神力が必要になる。長寿とはこんなにも過酷なものかと思う。幼い頃から祖母が死ぬのがずっと怖かった。今祖母は一歩ずつゆっくりと私から遠ざかっていく。

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ikutamaのトーク
トーク情報
  • ikutama
    ikutama

    残酷な恋の結末。人生で1番後悔する瞬間。耐えられずに店を出たその瞬間。
    エッセイの最終回は恋の終わりの話。でもここからすべてが始まっている。純粋な恋を冷凍保存して、編集に命に命を懸けていく。自分が1番苦しかった部分を鮮明に覚え、語り続ける。
    「初恋の浜のきらめき」。想像を超える現実が訪れてほしいです。貴重なお話、ありがとうございました。

  • ikutama
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    30年以上前、僕は不遜な若者だった。月刊「カドカワ」に書き下ろした小説を直す、直さないで、当時の編集長だった見城徹とやりあって以来、ずっと、交流は途絶えていた。別の世界で生きながら、次々にベストセラーを生む見城徹を羨ましく思い、憧れ、尊敬し、30年も前の自分の不明を恥じていた。なぜ、あの時、小説を直す、直さないというぶつかり稽古を最後までやり抜かなかったのだろう?ひょんなことから、見城徹の舎弟になれた。僕たちが尊敬する人が同じだったので、その子分として、見城徹が兄貴になったのだ。親しくなればなるほど、人間的な魅力に引き込まれた。圧倒的な努力とはこういうことを言うのか?毎日、寝る前に、一日を振り返り、自己嫌悪に苛まれる繊細さ。どんなトラブルも正面突破しかないと言い切る覚悟。義理と人情と恩返しを信条に生きる愚直なまっすぐさ。「編集者という病い」(太田出版)を読んで、僕は泣いた。圧倒的な努力って大変だ。でも、圧倒的な努力って美しい。
    夢がないとか、やりたいことが見つからないとか、努力が報われないと嘆く若者たちに、見城徹の魂を教えたいと思った。それが、AKB48の「ここがロドスだ、ここで跳べ!」の歌詞だ。
    Special Thanksで見城徹の名前をクレジットさせていただこうと思ったが、「秋元、そういうのは恥ずかしいよ」と言われそうだったのでやめた。見城徹とはそういう美学の男だ。毎日、熱狂しなければ生きている価値がないと教えてくれる。熱狂することは、どんなにつらく、悲しく、体力を使うことでも…。

  • ikutama
    ikutama

    「ぶつかり稽古を最後までやり抜かなかった」と後悔しながらも、お互い結果を出し続けて、再会する。親しさともに尊敬が増す2人。
    「ここがロドスだ、ここで跳べ!」厳しくもあるが、励ましの言葉。辛くても、悲しくても、疲れても熱狂しなければ、結局後悔する。だから、敢えてやる、耐えてやる、絶えずやる。今日も心を運動させる。

  • ikutama
    見城徹見城徹

    「往く道は精進にして 忍びて終わり悔いなし」
              ーー酒井雄哉大阿闍梨
    精進。精進。精進。忍びて終わり悔いなし。
    押忍。I Will Go to War!今日も地獄を耐える。

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    ikutama

    無量寿経というお経に「我行精進 忍終不悔」という言葉がある。ずっと昔から受け継がれてきた言葉。苦しむことがわかっているから、願いを立てる。この世界は、苦しみに耐えた人によって作られ、苦しみに耐える人に今日も救われている。
    日常の苦しみに向き合い、丁寧に一日を過ごします。

  • ikutama
    見城徹見城徹

    人間は生まれた瞬間から必ず死ぬ運命にある。
    人は死ぬと解っていて何故、生きるのか?
    今、外苑通りを車で走っている。明日死ぬと決まっているならば、外の景色は切ないほど愛おしく見えるだろう。諸行無常。生者必滅。今日一日をどれくらい覚悟して生きられるかどうか?目を瞑る。[豊饒の海]の最終巻「天人五衰」を書き終えて45歳で切腹して果てた三島由紀夫を想う。

    益荒男が たばさむ太刀の 鞘鳴りに 幾とせ耐へて今日の初霜

    散るをいとふ 世にも人にも さきがけて 散るこそ花と 吹く小夜嵐
    三島由紀夫は二首の辞世を残した。生きるということは死ぬということだ。その覚悟。その虚無。
    人は誰もやがて荒野の風になる。

  • ikutama
    ikutama

    三島由紀夫の辞世の句が胸を締め付ける。
    三島はもはや試すべきことが無くなったのだろう。最後に命を賭けなければ出来ないことをやることで、命を使い切った。過去は記憶でしかない。誰も居なくても朝日は昇る。
    今日のために昨日はある。過去ではできなかったことをするために今がある。

  • ikutama
    ikutama

    見城さん、リトークありがとうございます。皆様、拍手ありがとうございます。
    仕事の都合で日中、755ができず、夕方に三島由紀夫に関するトークをみて頭をフル回転させながら帰りました。
    理解できなくても読むことから始まる。下手であっても書くことから始まる。これからもリトークと感想に情熱を注いでいきます。

  • ikutama
    見城徹見城徹

    ↑ ikutamaのトークに行ったら、リトークの嵐になってしまった。ikutamaは僕のトークをリトークすると必ず感想を書いてくれる。それを読むのが楽しみだ。

  • ikutama
    ikutama

    見城さん、貴重な時間を割いて頂き、たくさんのリトークと拍手、本当にありがとうございます。
    読んだら感想を書く。でも緊張して書けない。だから書くために何回も読む、調べる。書けば小さな決意になる。それが苦しみと向き合う糧になっています。