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読書備忘録 2月 『シモーヌ・ヴェイユ・アンソロジー』 『太宰治全集』 『圏外編集者』 『傲慢と善良』 『たたずまいの美学』 2月は読了したタイトルの通りで、錯乱と静穏の間で、フワフワしながら過ごしました。 仕事に関連したものを除外すると、ここ数年は読書をさほどしていなかった。 しかし、コロナで引き篭もり生活が始まった辺りから、古典や比較的売れている小説などは読む様になりました。 僕の場合、(本を読まなきゃ!)って意気込む事が殆ど無いんです。 読書の優先順位もそんなに高くはないし、若い頃の様な乱読も今はやらない。 ただ先月は太宰にどっぷりハマりました。 特に『HUMANLOST』は、ここまで世の中が悲壮感に満ち溢れていると、あの独特の重ささえも軽く感じて来るのだから不思議です。 特に本文中にある「妻をののしる文。」は、入院中に脳内で理性が完全に消失したとはいえ、特有の鋭い感覚までは消えていない事が証明されている。 まぁ、この時期の私生活の乱れ具合を考えると、同情する点も多々ありますが。 太宰は『小説の面白さ』で「小説は、婦女子を騙せたら大成功」なんて言ったり、「『夜明け前』を読了し寝て起きたら内容を忘れていた」なんて事も言っているのだから、文豪に対して失礼かも知れないが、こういう捉え方も満更間違えてはいない気はします。 小説って作家自身の内部に存在する、いわゆる「異界」を見せてくれる訳だけれど、太宰って妙な思想が絡んでいないから、暗く重い作品でも楽しめるのでしょう。

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    母親探しの旅は、再会の場に父親だけが不在という結末を迎える。
    自分がどんな人間なのかを知っているからこそ、トラヴィスは中古のトラックでまた旅に出る。

    ハンターは幼い。
    しかし、トラヴィスよりも賢くて強くて、寂しさに慣れている。
    だから再会の場面が際立つ。

    ベルリン天使の詩と違い、何かが欠落しているラスト。
    僕は断然こちらの方が好みだ。

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    舞台はニューヨークからマルセイユへ
    ドキュメンタリータッチの撮影は相変わらずで、画面の揺れが緊迫感を煽る作りは1と同じ。
    特にラストは見応えは十分で、廃人にされかけたドイルの鬼気迫る追走には力が入る。
    最後は狙いすませた一撃で物語は終わるが、下手な銃撃戦より余韻に浸れる終わり方は好感が持てる。

    ドイル達がシャルニエを追い詰めていく序盤
    報酬を渡し終えた手下が、麻薬精製場へ向かうシーンがある。
    その途中で購入するケバブサンドが気になりました。
    ここではバゲットを使っているけれど、本来ならピタパンに野菜と肉を挟んでいて、見た目はタコスに近い。
    でもシンプルながら、これはこれで美味しそう。

    先日観た『ドーベルマン』でも、刑事がバケットにフレンチフライとソーセージを挟んだものを食べていたけれど、フランスではトルコ人街だろうとバケットなんだな。

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    ジャネット・リーの絶叫する表情が有名だけど、このシーンが一番ゾクッとする。

    探偵が宿泊者名簿を確認している時のノーマンの仕草だが、こんな覗き方するかな?

    週末の夜は映画を何本か続けて観ているが、特にサスペンス系は、監督にもよるけれど、現代版よりクラシック作品の方が秀逸な気がする。
    特にヒチコック映画の悪役は上品で知的だが、どこか狂っている。
    先週観たフランス産犯罪映画の「見るからに悪党」より断然怖い。
    子供の頃から何度も観ている『サイコ』だが、
    このシーンの異常さだけ、日常生活で断片的に思い出す事がある。

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    モンクレールの広告
    最初、何を着ているのか分からなかった。
    この二人については、モンクレールでさえ単なるダウンジャケットにするほどの個性。
    そこが狙いなんだろう。
    しかし、この笑顔にはまんまとやられた。

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    昨夜は就寝前にYouTubeで小林秀雄の講演を聴いていた。
    この二週間はトラブルが多過ぎたせいか、ビルエバンスの陽気な『枯葉』を聴いても気分は全く晴れない。
    そんなこんなで、脳をリセットするつもりで聴いた。

    あれだけ難しい文章を書く人なのに、講演は非常に分かり易い。
    何より声がいい。
    新潮社版の講演集を購入すると一万弱するけれど、YouTubeで充分。

    ユリゲラーの話からベルクソンに行って、最後はお高くとまった知識人達をバッサリ。

    何だかスッキリしたせいか、今朝の『枯葉』は楽しく聴けました。

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    最近就寝前に聴いている小林秀雄の講演でハッとする一言があった。
    「読まそうと企んだ文章などには決して引っかからない」というものだ。

    読まそうと企んでいる文章って、どんな文章なんだろう。
    これが分からないうちは、引っかかっている可能性が高い。
    同じ理屈だと「見せようと企んでいる映画には決して引っかからない」もあるだろう。

    「好きなものを見つけたら、とにかく掘る。
    掘って掘って掘り下げていけば、しまいに地下水に達する。
    その地下水っていうのは皆んな繋がっているわけね」
    これは河合隼雄のインタビューだったと思う。
    人生は短いとか量を超える質とか、文学や映画を好む人が語る際の慣用句だ。
    これを間に受け、若い頃は週に5本は映画を観ていたが、いまではジャンルに偏りがある。
    これは地下水にぶち当たったせいだろう。
    ただ見せようと企んだ映画に騙されているか、そうでないかは不明だけれど。