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ナナ散歩だよ
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他人を励ますことはできても 自分を励ますことは難しい だからーーというべきか しかしーーというべきか 自分がまだひらく花だと 思える間はそう思うがいい すこしの気恥ずかしさに耐え すこしの無理をしてでも 淡い賑やかさのなかに 自分を遊ばせておくがいい 『自分自身に』        (吉野 弘) ………… ……………… いろいろ浮かんで いろいろ流れて 言の葉が色ずいた先に 舞い降りたフリクション… 人見知り 人濃いし ひとり芝居のラビリンス… 還暦を迎える古都死 折り畳んでゆく轢死 ゆるやかに躓いて逝くよ なんて ひとり呟いてみた… 人離 笑ってみた… 日常生活が 心を優しくしてくれた 一念経ったんだね 755… ナナ散歩だよ…

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ナナ散歩だよのトーク
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  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    疑問を棄てた孤独…

    大家になれない戸建…

    愛憎烈しく強く
    血が荒れる
    家族の幸せelegy…


    場末のスクリーンに
    映っていただろう
    日常生活の欺瞞に
    物心ついた最初の
    顔のない指人形が微笑み返す

    思い出したくもない
    横倒しの砂時計…

    昨日までの僕が
      今を引きずり
    何度めかの死を
       すり抜けてゆく…。






  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ
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    小さな薪小屋の
    屋根の修理を始める

    東側は日射したっぷり
    のみ込んでウエハース状態

    西側はモクレンの木の影で
    うっすら塗装の剥げ落ち程度

    新しいものはそれなりに
    魅力的ではあるけれど
    古くなってゆくものに
    いつまでも手を入れ
    触れている感じが
    心地よい。。。


    朽ちてゆく色心の灯り
    ゆっくりと
    手をかざしてゆくつもり…

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    内へ向かう孤独は
     嬉々として忙しい

    外へ向かう孤独は
     沸々として恨めしい

    生まれ持った孤独は
    言葉に出来ない世界を
    手のひらに形作っている…

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  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    この頃…
    遠い昔の
    自分のような意識が
    記憶にない状況の中で
    踠いている夢をみる

    過去に
    目を瞑り口を閉ざし
    平らかな日常生活に
    潜り込んでいる今

    果たして、
    回転木馬の中心軸を
    探し求めながら
    言葉の奥に隠れている
    人に出会えるだろうか…

    ……………

    「……他人をじかに知ることこそ、実は、ほんとうに自分を知ることにほかならぬからである。人間は自分を知るのに、他人という鏡を持っているだけだ。自己反省とか自己分析とかいう浪漫派文学の産んだ精神傾向は、感傷と虚栄との惑わしに充ちた、架空な未熟な業にすぎない。」   
    (小林秀雄)



    「ぼくは、自己否定というのを、頭がはっきりしていてうまく言える人が言う場合には、結局、それは自己主張だと思うんだな。」
    (武田泰淳)



    「……あえて自己否定するのは、それゆえに、個体の存否を超える上位価値概念がその特定の存在の中に想定されている場合に限られる。否定はそれに向けての再生の手続きなのである。」
    (高橋和巳)



    人間の数だけ思想があるという
    落ち着くところは…

    「君は君自身でい給え、と。一流の思想家のぎりぎりの思想というものは、それ以外の忠告を絶対にしてはいない。」  
    (小林秀雄)



    朧気に
    最期りが見え隠れする朝に
    ぼんやりと思うママに
    ナナ散歩だよ…
    ……………

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ
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    古き良き時代劇を統べる
    勧善懲悪のテレビの時間

    風雲を遮った日常生活に
    窓を打つ雨滴の虎視眈々

    風は南南西
    意志を持った風見鶏は
    非の本を照らし始めたようだ…

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    いつものように
    ナナ散歩で外に出ると
    見上げた空が迷っている
    青空が見え隠れ
    朝焼け雲が漂い
    とうとう小雨が歌い出した
    ナナのカッパを着せに
    家に戻ろうか迷ったけれど
    雨模様の朝は
    いつも少し温かい
    気分はこのまま
    歩いてゆこう…


    来るものは・・・
    去るものは追わず

    例外がひとつ有って
    嫌がるナナに頬ずりをすること

    娘を抱っこ出来なかったことが
    頭をよぎる…

    ナナ散歩
    眼で追いながら
    降って涌く
    無常な気分を
    やり過ごして、ゆく…

    雨が止んだようだけど
    青空がクリーム色に変わった
    色も心も一緒に
    歩んでゆく
    ゆっくり
    ゆくり…

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    トランプカードを切った途端

    アリ地獄が
    イシばかげろう

    にっちもさっちも
    どうにも pull down…

    おボれるものひさしからず
    はるのよのゆめのごとし…

    願いたいね
    人間万事塞翁が馬…

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  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    凛としたすきま風が呟いた…

    遠くを良く見るのに
    眼鏡が欠かせない
    にもかかわらず
    手元を良く見るのに
    眼鏡が邪魔をする

    眼鏡があっちこっち
    ひとりぼっち
    ふて腐れたように
    レンズが曇り始める
    ますます
    見えにくくなってゆく
    さらに
    置き忘れた眼鏡を探すのに
    眼鏡がなくて苦労する

    最近
    身体が
    誤魔化せなくなってきた…
    目眼も
    耳実も
    鼻名も
    口知も
    死の始まりを
    真っ直ぐ伝えてくる
    こんなときは…

    漱石の小説群を
    懐かしく読もうと思いつく
    虞美人草からかな…

    松園の序の舞を思ひ浮かべ
    神経衰弱をしながら
    めくれた心に
    無邪気な素数を
    並べてみる

    みるにたえないよのいつわり
    いたみのはげしいよのめがね
    ………………

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    八百万の神の國…
    やおよろずのかみのくに

    天知る地知る我知る子知る…
    てんしるちしるわれしるししる

    人智を超えた存在が
    働き始めたかのように…