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修治さんのトークきっかけで、昨夜[セーラムズ・ロット]の映像版を観ました。 これは、テレビ用に製作されたものを編集した作品でしたが、原作を読んだ事のある人なら満足出来ると思います。 原作は結構ボリュームあるんですが、上巻の冒頭からゾクゾクする緊張感が途切れる事のない、とにかく怖い作品。 わかりやすいほどの古典的ホラーを題材に、宗教、コミュニティ、家族関係、最終的には自己批判までを盛り込み、暗い結末ながらも後味はスッキリしている。 単に怖がらせる作品ならば、[学校の怪談]の様に幾らでもあるだろうが、キングの場合は〝ソレ″の正体が分かるまでの、不安感、違和感、緊迫感の密度が異常に濃い。 比較する意味でクーンツなど後進の作品も幾つか読んだけれど、僕はあまり熱中しなかったなぁ。 最近、池井戸潤原作のドラマをTVerで観たんですが、スランプに陥った小説家が子供の頃に住んでいた町に移り住んで… 途中までしか観ていないけれど、住民や街の様子が変化していく設定が似ていました。 キングも池井戸潤も、作家として伝えたい「恐怖とは何か」が明確だと思う。 一言で言うなら「絶望」という恐怖。 セーラムズ・ロットであれば、恩師や幼い頃の知り合いに救済を求め、ハヤブサであれば編集者や彼女や仲間に求めているように、登場人物の殆どは、絶望を通じてでしか愛情表現が出来ない。 ただ、この作品もそうですが、子供を純粋無垢なものとして登場させる事で、ほんの僅かな希望を感じさせる作品も多い。 シャイニング/キャリー/ペットセメタリー/炎の少女チャーリー/イット/キャリーなどがそうだ。 これらは、暫定的な幸福や安定を、得体の知れない邪悪なものに破壊されるプロセスで絶望を表現し、邪悪なものと純粋なものが戦うことで救済を表現している。 まだ短編は読んでいないので言い切る事は出来ないけれど、キングの紡ぐ作品は必ずしもハッピーエンドではない。 人生で経験した絶望を反権力であったり反父権という形にしているが、暗喩とかテクニック的なものを抜きにしても、キングの言いたい事には共感出来る。

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    https://youtu.be/x-PtdM08LKA?si=TR5V3w-3ki-qzrTo

    友人から「チバユウスケ、亡くなったよ」って電話もらって一年か。
    ホント早いなぁ。
    アベの高速カッティングとチバのガナル歌は、人によっては不快だと思う。
    しかし、ブリティッシュロックとレゲエを独自の解釈でミックスし、同世代には懐かしいテイストの曲を唯一無二の歌声で聴かせてくれたバンドだった。
    デビュー直後にNHKが特番を放送したけれど、そもそも新人バンドを国営放送が1時間も特集する事自体がレアだったので深夜だったが観ながら録画し、何度も繰り返し観た。

    ミッシェル、ロッソ、バースディのライブはそれぞれ一回づつ行った事がある。
    その時の様子を例えるなら、ミッシェルは「おらおらー!」、ロッソは「俺はこういうのやりたかったんだよなぁ」、バースディが「高校時代に聴いてたロックやるから観に来てよ」って感じ。
    特にバースディのライブは心地良いものだった。

    チバの書く詩は造語が多く含まれているが、その理由について「響きがかっこいいから笑。意味なんてない」と、語っていた。
    しかしこれに似た事を三島由紀夫も言っていたし、辛口な渋谷陽一もビートニクのイメージを用いて造語の完成度を高評価していた。

    聴き手へストレートに届かない言葉は文字にすると意味のないものだが、三島は文字の「形」に拘り、チバは言語の「響き」に拘っていたようだ。
    ここに作家としての余裕に感じてしまう。

    本来なら時速200キロで走れる車が、そこら辺を徘徊している様な詩は、その余力を反芻へ廻している気がする。
    真っ直ぐ行けば行けるのに、敢えて迂回し批評的スタンスを取る表現は、余白のなかった後期ミッシェルとは大きく異なる。

    まぁ、チバやアベについては色々言いたい事はあるけど、同世代で、同じ様なバンドを聴いてきたからこそ伝わるものがある。
    まぁファンクラブ入ったり、記事を隅々まで読む様な人から見たら、かなりテキトーなファンの1人だけれど。
    命日の2日後にアップするくらいの節度は持ってるつもり。
    それと「元ミッシェル」じゃなく「The Birthdayのチバ」だからね。

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    低予算ながら口コミで上映館が拡大している作品。

    序盤から面白く、また短いながら所々に差し込まれる殺陣もバリエーション豊かで楽しめたのだが、物語が進むにつれ不安が募っていった。
    それは(単なるコメディに収まらず、最後にしっかり殺陣を見せてくれるのだろうか)という事でした。
    しかし、ラストの殺陣は勝新でもリアリズムを追求した黒澤でもなく、本物の侍同士の戦い(観た人なら分かる)の迫力が伝わる大満足の終幕。
    また、このシーンで「カメラを止められない」という監督の台詞があったが、低予算映画への応援と感じたけれど、これは深読みし過ぎかな?笑

    アメリカで『SHOGUN』が賞レースを総ナメにしたが、日本ではNHKでさえ大河以外は製作されない現在。
    時代劇が下火になっているのは、スポンサー企業が若い世代へ向けたCMの効果が期待出来ないからだろうが、『木枯らし紋次郎』や『破れ傘刀舟』なんて今見ても面白い。
    人間の業とかアイドル主演作品もいいけれど、勧善懲悪ものの時代劇を、今の若い人達にも観て貰いたいなぁ。

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    Netflixで『セキュリティ・チェック』を観たが、王道の空港パニック作品で楽しめました。
    予定調和だ何だっていう人もいそうだが、エンディングに至るまでの展開の速さと、主人公の逡巡をじっくり見せる緩急は👍
    クリスマス、空港パニック、テロリストと言えば『ダイ・ハード2』を思い出したが、こちらは銃撃戦が無い代わりにストーリーの面白みが際立っていた。
    宣伝が上手で、劇場に足を運ばせる事に長けていて、いい役者を軒並み揃えて、毎回肩透かしに合う監督作品より、配信サイトの作品の方が面白いってどうなん?笑

    この週末は他に4本観た。
    カート・ラッセルの『ニューヨーク1997』、『イル・ポスティーノ』、ルトガー・ハウアーの『ヒッチャー』、それと新作の邦画を近所のシネコンで。
    素材はいいのに調理師の技量がないと平凡な料理になってしまうのと同じで、いい役者を揃えても平凡な映画になるという体験も出来た週末でした。
    まぁ『地面師』をつまらないという人もいれば、今朝見た邦画を絶賛する人もいるのと同じで、観る側は勝手なものだ。

    「いい映画、いい本」ってのは、見返したり読み返した時に新しい発見が必ずあるものだと思っている。
    時間の経過によって自分の思考や感性が変化して、昔は気づかなかった「何か」が見つかる時がある。
    最初正解だと思っていたものも、長い時間をかけて不正確になるものもあるように、「いい作品」って、そう簡単に出会えるもんじゃないですね。

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    結局チケットを購入していた列車には乗れず、30分遅れの自由席にて。
    しかし、博多を過ぎても満席、熊本を過ぎてもさほど変わらず。
    ちょっとナメてました。。
    疲れた。

    明日は同窓会があるんだけど、その前にお墓参り。
    幼稚園の頃からずっと仲良くしていた友達にお供えをして、それから年末を楽しもうと思う。

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    新幹線に乗り遅れようと、自由席で窮屈な思いをしようと、本読んで、眠くなったら寝て、気づいたら鹿児島に着くだろう。くらいで丁度良かった。
    旅に本は欠かせない。

    そのおかげで好きな作家ではないが、あるノーベル賞作家の小説を改めて読む時間を設ける事も出来た。

    この作品の主題は不倫。
    しかしこの女性作家は日本人作家の類とは全く違う。
    生々しさを削ぎ落とし、冷たく渇いた筆致で紡がれる男女の物語は、自伝的ではあっても**的ではない。
    恍惚とか耽溺、憐憫を意識的に回避するテクニックのお陰で、自分の様な凡才には心地よい読後感でした。

    自分が惚れ込んでいないものについて書く事は止めたけれど、常に本気で読んでいるし観ているので、誰かの意見を参考にして感想を書く事はないですね。

    今年も色々書いたけれど、単なる感想文を読んで、更には拍手までして頂き恐縮しています。

    それでは皆さま、良いお年を。

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    会社の後輩に昨年アメリカでヒットした曲をDLして貰った。
    簡単に言えば『ベストヒットUSA』の2024年度版なんだけれど、目的は今日のグラミー賞を観る予定だったからだ。
    でも、正直なところ、よくわからない。
    強いて言えば優しく綺麗な曲が多いという印象と、テイラー・スイフトが予想以上に人気あるって事を知った。

    という事で、『噂』である。
    当時アメリカではかなり売れたアルバムらしいけれど、
    フリート・ウッド・マックは、ちょっと世代は上だし、ファンだと公言する人は同世代にはいない。
    しかし、スティービー・ニックスの鼻にかかった声が、憂鬱な冬の朝にはピッタリ合うので、今はこのALを朝のローテーションにしている。

    以前のHNの時は「偏愛と無関心」と事ある度に呟いていたけれど、今もそう変わらない偏愛至上主義ですね。

    何だかんだ言っても、波長が同じでないと本も映画も音楽も人間も深まらないって事。
    かな?笑

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    これ聴きながら通勤してます。
    バスに揺られながら聴いていると、二度寝しそうになりますから、注意が必要。