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死ぬために生きる

昔家にいた犬、"イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル"と街で遭遇し、当時を思い出した。 元々捨て犬だった彼女を、知り合い伝手で引き取った。 毎朝散歩のために起こされ、目を擦りながら向かう散歩はルートや用を足すポイントが決まっているため、特にリードを引っ張ることもなかった。 犬も本気で喋ってくれると思い込んでいたため、ところ構わず話しかけ、幼少期の喜怒哀楽を全て共有した。 彼女の前で号泣することもあった。 今思うと懐かしく愛らしく恥ずかしい気もするが、彼女に僕の人格の一部を築いてもらった気がする。 また同じ犬を見かけた時、次は間違いなく話しかけてしまうだろう。

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思い残すことなく死ぬために
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