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見城徹

イギリスの不世出の名ラガーといわれたある選手が、ある大試合でタイムアップぎりぎりに逆転のトライを挙げた。大観衆は総立ちとなって歓声を上げたが、レフリイの無情のホイッスルが鳴り、寸前に反則がありトライは認められず、そのままノーサイドとなって試合は彼のチームの負けとなった。 しかし試合後も、あの時のレフリイの判定が正しかったかどうか、しきりに議論の的になったが、当の選手は、 「ラグビーの試合ではレフリイは神に等しい」 と一言いっただけで、彼は一切ものをいわなかった。当時のこととてビデオテープもなく、判定が正しかったかどうかは遂に判定されずに終ったが、人々はその惜敗に奮起して次のシーズンの彼の活躍を期待したが、第一次大戦が始まり、世の中はもはやラグビーどころではなくなった。 その戦争の最中、ある激戦地の野戦病院で、ある軍医が重症を負った一人の兵士を看護した。兵士の認識票を見て、医者は驚いた。ラグビー気狂いだった医師にとっては忘れ難い名前、かつてのあの大試合のヒーローが、この重症の兵士だった。 それを知って医師は看護に専心したが、傷は重く、遂にその兵士は死んだ。 彼の臨終の際、すでにファンと選手として相識る中になった医師が、かつての名選手に、何かいい残すことはないか、と尋ねた時、死に際の懺悔の聴聞を終った後、件の選手はかすかに唇を動かし、聞きとり難いほどの低い声でいった。 「あの試合のあのトライは間違いがなかった。レフリイが間違っていたのだ」と。 一生をかけた遺言としての、この言い訳を信じぬものがどこにいるだろうか。 ⬆︎ これが石原慎太郎[男の世界]の中の《男の言い訳》の文章です。 僕はこれを読んでラグビーを生涯やることを決めました。

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見城徹のトーク
トーク情報
  • 見城徹
    三上雅博三上雅博


    おはようございます。
    本日は過去の投稿より、2025年3月の親父の投稿をリトークさせて頂きます。

    「誠」を尽くせ。
    たった一人、誰にも知られず血を流せ。

    本日も皆様、宜しくお願い致します。

  • 見城徹
    見城徹
    投稿画像

    昨夜は赤坂[港かっぽれ]。静岡市清水区の後輩・松永くんの一番新しい店。出て来る料理、全てが美味しい。

  • 見城徹
    中川 剛中川 剛

    ↑見城さんご出演の「人生最高レストラン」再び‼️めちゃくちゃ楽しみです‼️
    週末に既に録画予約もしておきました。
    石原慎太郎さんとのエピソードまで⁉️

    11月22日(土)夜11時30分〜
    「人生最高レストラン」

  • 見城徹
    三上雅博三上雅博

    「映画館」

    子供の頃から映画館が大好きだった。
    見せ物小屋やお化け屋敷。薄暗い空間では、何故か心が躍った。
    学生の頃は映画の内容より、隣に座る女の子の横顔にドキドキしていた。
    15歳からは仕事一色。映画館は遠い存在になり、休みの日にレンタルショップで洋画を借りて観るのが、数少ない楽しみだった。
    当時の好きな映画は「フェイク」。ジョニー・デップとアル・パチーノの演技に魅了された。
    ブラッド・ピットの「デビル」や「セブン」も、何度観たかわからない。
    16〜17歳の頃、「タイタニック」を映画館で観た。感動して、わざわざビデオを買い、テープが擦り切れるほど繰り返し観た。
    そのすぐ後に、まさか自分が豪華客船の処女航海で鮨を握ることになるとは思わなかった。
    近年は映画館から遠ざかっていたが、親父の755の投稿をきっかけに、再び足を運ぶようになった。
    「グランメゾン・パリ」で心が震え、「国宝」で胸が焼かれた。

    やっぱり映画は、映画館で観るものだ。

    そして遂に、伝説が幕を開ける。
    11月28日。
    観る者の人生を変える映画——『栄光のバックホーム』全国公開。

    感動よ、日本中を焼き尽くせ。